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[コメント] 激突!(1971/米)

休憩所での、主人公のあまりに過剰な独白がなければ4点。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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それまでが良い感じだったので、なおさら無粋に思えて仕方がなかった。

そもそもスピルバーグは車やサメや宇宙船といった、意志のないもの、想像では及ばない意志を持つものに、視線がいってるうちはいいのだ。そういったものを非常に印象的に(この映画ではまるで生き物のように)撮るセンスには舌を巻くことも多々ある。問題なのはその視線が人間をとらえる時。こんな素晴らしいセンスを持っていながらも、結局は言葉の説明の力を借りなければならないのは何故なのだろう、と思ってしまう。

休憩所の客を疑心暗鬼の目で伺う主人公。しかしその疑心暗鬼振りは、主人公の視線と客の何気ない仕草との「目で追う会話」で十分成り立つはず。しかしそこにさらにあれほど過剰に言葉をかぶせてしまうのは、視線やしぐさの持つ意味、力を信じきれてないからではないだろうか。

とはいえ、テレビ向けということでそのような「親切さ」もしょうがないのかもしれない。でもある程度「人間」が分かってるのなら、当然そのクダリの内的独白は無駄だと判断する、と思う。脚本は一応本人じゃないからおかど違いかもしれないけど、個人的にはスピルバーグの才気を十分堪能できる一方で、何気にウィークポイントも露呈している映画のような気がしてならない。良くも悪くも監督の挨拶代わりとしては格好の一本。

(評価:★3)

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