[コメント] ユージュアル・サスペクツ(1995/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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語り手自身が犯人ってパターンの推理小説はないワケではない。でもそれらの小説が最大限気をつかってるのは、反則スレスレの手段を使いながらも、いかにフェアプレイに徹するかってこと。この映画にはその感覚が著しく欠落しているような気がした。見返さないとわからない伏線ばっかりってのはどーだかって思う。見終わった時点で印象的なシーンが伏線に転じるように描くのが、フェアな仕事なのでは?署内の張り紙だの、コーヒーカップの底の表記だの、だましてから開示されてもちょっと困る・・・。観客の頭脳との対決ってよりは、だましたあとで手の内見せる映画のような気がする。だから見返すとさらに面白いじゃなくて、見返さないと本当の面白さがわからない映画になってるけど、それはどうなんでしょうか?いやいや、一回目でも十分満足させて欲しい。
回想シーンもウソならウソなりに、どうしてそんなウソ話になったかって理由が欲しい。「あー。所詮あれらはウソなんだから」って感じでほとんどが処理可能ってのは問題だと思う。途中からウソって分かった人間だって結構いるんだから、そのウソの中に暗示的な要素がたくさん盛り込まれてなければ、シラけてくるのも当たり前だし、その回想シーンからボロが出るってのを期待するじゃないですか?
伏線も分からないように作る=巧いってのは違うと思う。ほんとうに巧さを感じさせるのは、分かってもおかしくないのに分からなかったって思わせる伏線だと思う。
なので、どちらかというと役者の演技合戦として楽しみました。
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追記: 一つ解せない事がアリ。どうしてカイザー・ソゼは、あんなカルテットとかコーヒー園とかデブとか、刑事にわざとヒントを与えるようなホラ話を作ったんですか?虚栄心やうぬぼれがそうさせたのか?でも伝説の人間のやるようなことじゃないですね。分かる方いらっしゃいましたら是非教えてください。
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