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[コメント] エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022/米)

確かに面白いし、ミシェール・ヨーがついに欧米で正当な評価を得たことは本当に喜ばしい。しかしアメリカ映画必殺の方程式であるところの家族愛至上主義には鼻白む。
ペンクロフ

諸手を挙げて絶賛する気になれない引っ掛かりあり。メチャクチャ引用が多い映画であれこれ指摘されてるが、オレが似てると思ったのはキャプラの『素晴らしき哉、人生!』。そして「素晴らしき哉、人生!」同様に絶賛できない苦味を感じる。

そりゃ「素晴らしき哉、人生!」は名作だし「EEAAO」も面白かったけど、そういう話ではなくて。オレが絶賛する映画かといえばこれは違った。たぶんアメリカ映画に多い「家族愛は説明不要で至上のもの」という前提が(オレが)ダメなんだと思う。家族なんか好きでもなんでもねえからな。この映画にも引用されてるキューブリックなんか家族愛にクソほども興味ないやろ、そのへんはどうなってんだろうと思う。

酷いこと言うと、これは『マトリックス』のアンダーソン君に「君が救世主ネオになる世界もどこかにあるけどさ、とりあえず君は目の前のプログラマーの仕事頑張って、納税してゴミ出しして、この世界でちゃんと働きなさいよ」と説教することに他ならないのではないか。『オズの魔法使』から続く、オレが憎んでやまない「やっぱりお家が一番ね問題」に陥っているのではないか。お家が一番なわけねえだろ、アホかと思うのである。娘は家を出てっていいし、税金なんか払わなくていい。

いやよく観れば実はそんな映画じゃないのかもしれないけど、とりあえず初見の感想としてはこのような反発を覚えました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)緑雨[*] ロープブレーク[*] 袋のうさぎ かるめら[*] 月魚[*] おーい粗茶[*]

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