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[コメント] クリムゾン・タイド(1995/米)

潜水艦の閉息感と息苦しさを、定石をキッチリと押さえて縦横に駆使。それでいて自身の絵作りのツボも外さないのだから、トニー・スコットという人はなかなかにウマイ。
かける

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







正義も悪もなく、そこには命令と軍人が存在するだけ。このシンプルさが、プリミティブな緊張感で観客を支配する。

また、戦争映画においては明確な「敵」を存在させない方が、ドラマとしての骨格が伝わりやすい、ということも証明してくれている。「ロシアの反乱軍」というもの自体が曖昧模糊としている上に、見せる姿は潜水艦のシルエットどまりだ。

最終戦争の危機という生々しいけれど漠然としているものには軸足を置かず、焦点を男と男の衝突、というベクトルに持っていったことで、息づかいすら伝わってくるような緊張感を前面に押し出した佳作。 そこには一つの命令を取りまく軍人しかいない。

(評価:★3)

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