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[コメント] サンセット大通り(1950/米)

最初見たときの感想は普通。次にある程度(セシル・B・デミルグロリア・スワンソン)の事わかって見るとコレがおもしろい。さらに最近、製作の舞台裏がわかって見てみると傑作以外のなにものでもなかった!!コレ見てからのほうがいいかも→
TO−Y

グロリア・スワンソン(ノーマデズモンド)   無声映画時代のスター。撮影当時は引退していた。セシル・B・デミル が育てたというのは本当の話。

エリッヒ・フォン・シュトロハイム(執事マックス)   あのD・W・グリフィス作品でデビュー後監督となり作品を残すも映画会社とのトラブルにより1936年以降死ぬまで監督として振るう事はなかった。あのセリフはもう本物。

セシル・B・デミル(セシル・B・デミル)   これがまた凄い!しゃべっている姿はじめて見た。この映画で出てくるセットは本物。しかも『サムソンとデリラ』という当時撮影中だったセットでそのまま使用している。

かつての仲間がノーマデズモンドの屋敷でトランプしているシーンに出てくる人達も・・・

バスター・キートン   これはまぁわかる人にはわかったハズ。かつての喜劇スターも50年のこの頃にはすでに仕事は無かった。

H・B・ワーナー   セシル・B・デミルの『キングス・オブ・キングス』のキリスト役の人で『舞姫ザザ』ではなんと グロリア・スワンソンの相手役を務めたことも。もちろんこの頃仕事なし。

アンナ・Q・ニルソン   20年代ワーナー映画の主演女優。乗馬中の落馬事故で女優生命が絶たれる。

この映画でノーマとジョーがかつてのノーマの映画を見るシーンに使用された映画ももちろん本物。しかも監督 エリッヒ・フォン・シュトロハイム !!『クイーン・ケリー』という作品でお蔵入りしたという(何でかは知らん)いわくつき作品。

理由がわかりました! 資金提供していた資産家のケネディは(あのケネディ大統領のお父さん)RKO(今はなき映画会社)の大株主で愛人でもあったスワンソンのためにシュトロハイムに撮らしたのが「クイーン・ケリー」だったわけ。で、スワンソンとの関係が終ると撮影は打ち切られ未完のまま放置されてしまった・・・。監督を務めていたシュトロハイムとスワンソンはその一件で自身のキャリアに大打撃を受けた。そしてこの頃起こった映画革命(サイレント映画の時代からトーキー映画への革命)によって人々から忘れ去られていったとさ・・・。

またエピソードとして当時のハリウッドの皇帝ルイス・B・メイヤーがプレミア上映の後怒り狂ってワイルダーに「この野郎!今のおまえがあるのはこの産業のおかげだというのにそれを中傷したんだぞ!おまえなんかリンチにしてハリウッドから追放してやる!」と言ったのに対してワイルダーはただ一言「ファック・ユー」と言ったんだって。

かつての夫だったというプロット、そしてファンレターを書き続けていたのは実は夫だったというのはシュトロハイムのアイディアだそうだ。

しかしどこまでが脚本でどこがアドリブなのか非常に興味がある。

(評価:★5)

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