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[コメント] M:I−2(2000/米)

ジョン・ウー=カレー理論と、M:Iにみるヒッチコックとの関連に関する一考察
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







誰ぞが何ぞにジョン・ウー映画をカレーに例えると「鳩」は福神漬けだと書いていた。

仮にこれをジョン・ウー=カレー理論と名付けると、「銃」はカレー粉そのもの。 中でも「二丁拳銃」は最も重要なスパイス。 「スロー・モーション」はジャガイモ。しかも具が大きすぎるぐらい。 東洋人的な浪花節のダシが利いていて、最後は一騎討ちの肉弾戦で、必ず火を噴く。

で、この『M:I−2』だが、設定からオチまで、まるっきりアルフレッド・ヒッチコックの『汚名』と同じだ。 男女が仲良くなるきっかけが自動車という道具立てまでそのまま。 相違点といえば、女(イングリット・バーグマン)視点であること、銃撃戦がないこと。 (ヒッチコックは銃撃戦が下手だった。『バルカン超特急』がいい例)

前作の監督ブライアン・デ・パルマは自他ともに認めるヒッチコックフリークで、 昔は物真似などと皮肉られたものだ。 前作中盤の宙吊りシーンなどは典型的なヒッチコックタッチである。

ヒッチもスパイ映画はお得意の分野だった。 少なからずこのM:Iシリーズ、否、あらゆるスパイ映画に影響を及ぼしているだろう。

だが、「スパイ」「毒薬」「ワイン」「ナチス」「鍵」「接吻」と魅惑的なキーワードで彩られた香り高きサスペンス『汚名』に比べて、M:I−2はいかにも庶民的な「カレー味」のアクション映画なのである。 それは決して悪い事ではない。 カレーはみんな好きだし、それがジョン・ウーの持ち味なのだから。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ペンクロフ[*] 緑雨[*] IN4MATION[*] ごう[*] 小紫 のこのこ ぱーこ[*] ホッチkiss[*]

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