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[コメント] シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米)

スタイリッシュな映像で描かれた暴力は本来の生々しさから乖離しており、それは様々なメディアを通じて形成され去勢された暴力のイメージ、つまり本来の暴力の形骸にすぎないのではないのだろうか?

たしかに、そのようなイメージは暴力という観念を想起させるには効率的である。なぜなら、その観念は通念として既に観客の中に与えられているのであり、映像によってそれが惹起されるならば、私たちはあたかもそのイメージが映像によって心の深奥に与えられたかのように感じるだろうからだ。

しかし、その暴力のイメージはすでに手元にあったものであり、新たに与えられたものではない。

要するに、あるがままの暴力をもっと愚直に捉えた方のが、暴力が暴力それ自身として立ち現れるのではないだろうかと思った。

(評価:★3)

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