[コメント] ボーイズ・ドント・クライ(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ラスト、ラナの行動を見てティーナ(ブランドン)は、 「タダの通りすがりのアバズレとの火遊び」がホンモノの愛に変わる一瞬、を確信する。 彼女(彼)は自分の「愛の勝利」を知るのだ。 この場面でティーナ(ブランドン)は至福の笑みを浮かべる。
しかし、次の瞬間銃口が火を噴き、彼女の時間のシャッターは否応なしに下ろされる。 永久に。
「自分らしくありたい」と願って止まなかった彼女(彼)の最後は悲劇的ではあるが、勝者は間違いなく、彼女(彼)自身である。
(追記)2001/10/1
コレは「街から一歩も出た事のない、コドモが初めて外の世界に出て地獄巡りをする話」である。 だから、ホントに彼女(ティーナ)が「性同一性障害」であったか、タダの「男になりたかったレズっ気のあるオンナノコ(しかも世間知らず)」であったかは映画中では語られない。(白黒ハッキリさせてない)
ワシとしては「後者である」と憶測する。
初めて出た世間には温かい人もいれば、異常な人もいて。 我が身ばかりが可愛い母親やイイヤツだと思ったら、トンデモナイ鬼畜だったりするヤツもいる。 自分が初めて世間の波に飛び込んでいった頃のことを思い出した。 「あぁ、そうそう。こーいうヤツいたよなあ」
自分の過去を振り返ると、彼女の置かれた立場にシンパシーを感じて胸が痛む。 「ズルイ人やコワイ人が世間には一杯いるけどソウでない人も沢山いるよ」という言葉と共に、これから世間へ出てゆく若い人にこそ、観て欲しい映画。
自分自身の異質なモノに対する寛容さと不寛容さを試される、リトマス試験紙的映画カモ。
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