★3 | 抱きしめたい 真実の物語(2013/日) | 「逃げるなら今のうち」と言う台詞の重みが夜のメリゴーの煌きに融解する場が白眉だが、物語はそれを回収するわけでもない。脳性麻痺ブラザーズ他リアリズム志向のバックグラウンドが買えるだけに詰めの甘さが目立つ。只管に景子ちゃんの真摯さが泣ける。 | [投票] |
★5 | 春画先生(2023/日) | 警戒は瞬時に尊敬に追従はやがて先導にという関係性の逆転が女優北香那の胆力の発現過程と同期するような錯覚のエクスタシー。幽界からの使者めいた安達祐実との三角対峙は昭和文学の黴た芳香を放つ。全ては地震による胎動の萌芽から始まるのも納得。 | [投票(2)] |
★3 | どろろ(2007/日) | 48ヶ所のパーツを失った子供が何とか成人したにしては怨念も虚無も孤独感も不足で妻夫木は快演してるが物足りない。それを突き詰める想像力が製作者に不足しており素晴らしい終盤が勿体ない。殺陣も今更感横溢、中盤の端折りもカスだが柴咲は買う。 | [投票(3)] |
★5 | さよならくちびる(2019/日) | 女2人に対する男のポジショニングとしての場の空気を醸成することに成功している。成田の退いた佇まいが好ましいし門脇の諦観と小松の焦燥も物語内で沈殿して融解する。フィルムの質感と忘れ去られた風景と昭和な楽曲が混然として世界を形作る。 | [投票(5)] |
★3 | どこまでもいこう(1999/日) | 少年時代は大抵の事に落とし前をつけられないままに、どんどん時間が過ぎていってしまうもので、リアルと言えばそうなのかも知れぬが、たとえ虚構だと言われるにせよ映画は矢張り落とし前をつけて欲しい。唐突なハッピーエンドで全てが過ぎ去るのでは軽すぎ。 | [投票(2)] |
★3 | 風に濡れた女(2016/日) | 70年代的な奇矯行為と内省的な自己陶酔に3本立ての大半の遺棄された作品群に馳せる遣る瀬無い感慨を覚える点で正しくロマンポルノのリブート作だ。ただ、終盤の釣瓶打ちが爆笑を誘発する破壊性を帯びただけに解体・再構築に更に意識的であって欲しかった。 | [投票] |