フィリップ・グラスの映画ファンのコメント
赤い戦車のコメント |
エレナの惑い(2011/露) | ベルイマン的辛気臭さが活劇性を殺しているように見えた『ヴェラの祈り』に比べると、(物語ではなくショットの)予測不可能性が上回る分こちらの方が面白いように私には感じられた。しかし、あの傑出した『父、帰る』を処女作に持つ監督にしては随分小ぢんまりと纏まってしまっている(悪い、とは言わないが)。ナジェジダ・マルキナが日常的な作業や歩行を繰り返すショットの切れ味が良い。 | [投票] | |
ウディ・アレンの夢と犯罪(2007/米=英=仏) | いささか省略しすぎで肝心なところまで飛ばしているのではと思いつつも、圧倒的な語りの巧さに降参。齢70を越え、ますます老練な作り手になってきている。それは撮影のジグモンドや音楽のグラスにしても同じこと。若手には出せない味とコクがある。 | [投票(1)] | |
幻影師アイゼンハイム(2006/米=チェコ) | ソクーロフの『ファウスト』にも似た光の捉え方がとても美しい。起こった出来事をそのまま記録するようなスタンスのカメラであり、端的に行動のみを描いていく演出が心地よい。奇術にしてもタネを徹底して描かない度胸が中々。序盤ペンダントを渡す場面での内側からの切り返しや窓に立ったノートンを見上げる群衆たちなど、サイレント映画を勉強したであろう画面が多々ある。「視線」の捉え方もきちんとしている。 [review] | [投票] |