★5 | 野生の哲学者・金基徳。わたしは彼にこう問われている気がしてならない。「人間はこんなにどうしようもないものなのに、あなたはなぜそれを見ようとしないのか」「彼らが“幸福”でないなどと、どうしてあなたに言えるのか」と。(04.04.27@心斎橋シネマ・ドゥ) (movableinferno) | [投票(4)] |
★4 | 臆病なやくざ。自分には陵辱し得ない女が、誰かに抱かれるところをマジックミラー越しに何時までも眺め続ける。彼にどん底まで引き摺り下ろされた女は、それでもそんなやくざに寄り添う。自分たちの生きる世界とはかけ離れていようとも、愛を怖れるやくざは悲しく、いとおしい。 (水那岐) | [投票(1)] |
★4 | 人には人を愛し始めるときの手順があり、人が人を愛する方法にはカタチがある、などというのは唯の幻想にすぎない。量産され消費されるだけのマニュアルどおりの愛など、本当はどこにも存在しないのだ。そんなキム・ギドクの声が聞こえる。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] |
★5 | ヤクザの純愛というか、こんな男と女の愛の形を描いた映画は今迄にもあったが、この作品はどうしてこんなにものめり込ませるのか。 [review] (KEI) | [投票] |
★5 | 増村映画の主人公達が視覚を喪うことで愛に開眼したように、ウォーレン・ベイティや原田芳雄が不能ゆえに愛を体感したように、金基徳映画の主人公達は、激しい痛みの中、互いに言葉を喪うこと事で、ようやく愛を語り始める。 [review] (町田) | [投票(5)] |
★5 | 愛するということと憎むということは、関係を欲望するという点で等価だ。そしてその手段が暴力という回路しか持てなかったらどうなるのか。キム・ギドクは挑発する。いたわりが暴力に、罵りが愛ということもある。先鋭的ではあるが、遠い世界の話でもない。 (よだか) | [投票(3)] |
★4 | 登場人物の行動の無謀さもあって純愛と呼ぶには無理がある気がするが、愛と憎悪の境界線のないアニマル的本能と底辺の人間の生き様をここまで見せてくれる演技と演出はたいしたものだ。 [review] (SUM) | [投票] |
★3 | お客さん達のパッと見、割とまともな人ばかりな気がした。そこをもっと現実的にして欲しかったな〜。。
[review] (リア) | [投票] |
★4 | 眼は口ほどに。とにかく眼が凄い。本作のチョ・ジェヒョンは『タクシードライバー』のトラヴィスロバート・デ・ニーロ、『白痴』の赤間三船敏郎に並ぶ私的三大眼力です。ガラスと鏡による、写る世界と映る世界の映画的表現も見ごたえ十分です。 [review] (スパルタのキツネ) | [投票(2)] |
★2 | 「墜ちていく」対象として図式的かつ無機的に描かれる女性像に生命の息吹を感じられない。北野武作品に登場する女性も似たような感じではあるが、北野作品ほど独自の世界観が築かれているわけでもない。結果、「上層」と「下層」という俗っぽい対比におもねっているような感じをおぼえる。(★2.5) (グラント・リー・バッファロー) | [投票(1)] |
★4 | 直球勝負の感情たち。 2004年7月5日劇場鑑賞 [review] (ねこすけ) | [投票] |
★4 | 『悪い男』というタイトルの中に、“悲しい男”という意味合いも感じてしまう。過激な暴力描写があっても、女性軽視とも言われる売春描写があっても、それら全てによって逆に悲しさが深まる。キム・ギドクが彼らしい題材を、作品を通してより追求した秀作。 [review] (Keita) | [投票(2)] |