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熊切和嘉の映画ファンのコメント

フリージア(2006/日) 青春☆金属バット(2006/日) 最も危険な刑事まつり(2003/日) 武曲 MUKOKU(2017/日) 海炭市叙景(2010/日) 揮発性の女(2004/日) 莫逆家族 バクギャクファミーリア(2012/日) 私の男(2013/日) 鬼畜大宴会(1998/日) アンテナ(2002/日) ノン子36歳(家事手伝い)(2008/日) #マンホール(2023/日) 夏の終り(2012/日) 658km、陽子の旅(2022/日) 空の穴(2001/日)が好きな人ファンを表示する

この国の空(2015/日)************

★5戦争終期の昭和20年。市井の人たちはどう毎日を生きていたのであろうか。空襲に明け暮れ、街に老人と女しかいなくなっている。子供の声も聞こえない。食料もだんだんと途絶えてくる。そんな時代のある若き女性の胸の内を開けてみれば、、。 [review] (セント)[投票(3)]
★4男と子供が消え精気をなくした街に降りそそぐ爆弾は、とどめを刺すように残された女を焼き尽くす。二階堂ふみの抑揚のない女言葉の口跡が諦観の日常に艶めかしく響く。抑圧された生命の証であるエロスが、生き物が生き続ける欲望となって暴発するのは必然。 [review] (ぽんしゅう)[投票(4)]
★5一貫して重低音で流れ続けるような戦時下の抑圧。こういう演出は制圧的な統御下でしか為し得ぬものに思える。声を押し殺したパッションの臨界域での発露は綺麗ごとじゃない。ど真ん中を射るモノローグ「私の戦争」。夕貴靖子が醸す女の性も切ない。 (けにろん)[投票(2)]
★4招集の恐怖に揺れ動く繊細な長谷川のエロ顔に素直クールという女のエキセンな生き様をいかに結合させるか。ロマンスの難解な衝動が社会変動と同調している意匠なのだが、戦中戦後を相対化する謎のてよだわ言葉はむしろ宇宙を逆侵略し始める。 (disjunctive)[投票(2)]
★4防空壕や菜園の糞壺、庭の鶏など豊かな細部が丹精な撮影で捉えられ、大道具小道具劇場の趣がありまるで美術館のよう。この細かさが描写にリズムを生んでいる。 [review] (寒山拾得)[投票(3)]