★3 | 美術・衣裳はゴージャスだが、マッタリしたテンポが肌に合わず。加えてテーマの馴染みの薄さが退屈に拍車をかける。カルディナーレの美貌に見とれつつも、作品の肝は理解しないまま終わった。 (太陽と戦慄) | [投票(3)] |
★4 | ヴィラボスコグランデの壁紙や家具調度、舞踏会の貴婦人たちの衣装や装飾や髪型、貴族の服の生地や仕立て、など全てが最上質。街の石造り、屋根瓦、砂埃まで上質に見える。カルディナーレとドロンの官能的な追いかけっこ。 (動物園のクマ) | [投票(1)] |
★4 | 全てを見届け、これから長いのか短いのか分からぬ人生の午後を生きていく老貴族の熾き火のような感情を、克明極まりない演技で見せ付けられる。自分の属する階級への愛着と時代に取り残される忌避感覚の複雑な混交が、ベラスケスの絵画のように濃密な画面の中で展開する、その激しさ。 (ジェリー) | [投票(2)] |
★4 | 正統ヨーロピアン保守の戸惑いが公爵の茫漠とした表情に滲む。過去の秩序に学び必要最小限の“変化”を受け入れるのが保守の流儀であり矜持。だが時代の変化は想像を超えていた。彼も気づかぬうちに受け入れざるを得なかった“妥協”の代償はあまりに大きかった。
(ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★5 | ビスコンティ前期の最高傑作。この精神が後期に試行錯誤の上、後期に生かされてゆく。 [review] (chokobo) | [投票] |
★5 | 若い世代が公爵に敬意をはらってるところが、まだ救われる。ぎりぎりの残酷さ [review] (くろねずみ) | [投票(4)] |
★5 | 階級闘争の必然を頭で理解しつつ、しかし心は没落の鎮魂歌に拠っている。ヴィスコンティの立ち位置の余りに明晰な映画構造とのシンクロ。全ての思いの混濁を飲み込み圧縮破壊する40分の舞踏会の熱暑と重厚。その男の意地の集積には憧憬の念しかない。 (けにろん) | [投票(2)] |