★4 | 成功の甘き香り(1957/米) | ううむ、卑しさに酔った。ピカレスクな味わいと共に、必然の敗北を避けようと足掻く虚しさが、容姿・声・立振舞いと非の打ち所がないランカスターだけに、一層際立つ。悪こそ甘露。 | [投票] |
★3 | 八月十五夜の茶屋(1956/米) | 「強く正しいアメリカ」に飽いて、異国の女にあやして貰いたがる男達のバカみたいなお伽話。M・ブランドが日本人になり京マチ子が芸者をやる、というだけでも観る価値はあるが。 | [投票] |
★4 | トラック野郎 御意見無用(1975/日) | 晴れがましい語り口、コントそのものの演出、フリークス感漂う連中の無茶苦茶な服装センス、豪快かつ小学生レベルの言動…。愛さずにはいられない!「寅さん」などくたばっちまえ! | [投票] |
★4 | 現金に手を出すな(1954/仏=伊) | 渋い!優雅な物腰の悪党が心底恐れるもの―それは「老醜」。その哀しさ故に、若い者には真似のできない格好良さが漂う。パジャマ姿でさえ威厳がある。沈みゆく船のような…。 | [投票] |
★5 | 肉体の冠(1952/仏) | 水も滴るメロドラマ。川の流れはとろりと甘く、木漏れ日は優しく、夜の町はいかがわしく、策略は容赦無く、死はただ痛ましく…。昔の白黒映画は何故こうも艶めかしいのだろう? | [投票] |
★5 | モンティ・パイソンの ザ・ラットルズ(1978/英) | 過去を振り返る時はこれくらい余裕と洒落っ気を持っていたいもの。称えているようで実は完璧におちょくっている立ち位置が絶妙。ビートルズの四人も草葉の陰で喜んでいるだろう。 | [投票] |
★4 | チェブラーシカ(1969/露) | 時々見せるつまらなさそうな顔が堪らない。ぶ厚い外套を着た動物達・心のねじけた婆さん・黄昏れた音楽…。キュートで童話的で何だか情けなく、ああロシアだなあ、と思わせられる。 | [投票] |
★4 | 非常線の女(1933/日) | 拳闘・ダンスホール・ビルヂング・アール=デコ…モダーンで不良っぽい小津。『どうせアタイは―』のセリフをうそぶくのが山田五十鈴だったら、完璧に格好良い映画だっただろう。 | [投票] |
★3 | のんき大将・脱線の巻(1949/仏) | ブリューゲルの絵のようだ。酔っ払ったり悪戯したり色目を使ったり「アメリカ式」で走り回ったり。祭日の三色旗の陽気に誰もが感染している。そして隅では婆ァが不気味な笑いを…。 | [投票] |
★3 | 左側に気をつけろ(1936/仏) | 横縞のシャツにズボン吊り、短いチョッキを着込み、頭には帽子。陽のあたる田舎で適当にサボりつつお百姓をやる。たまにはボクシングも来るし。何か楽しそうだ。退屈でも許せる。 | [投票] |
★3 | デビッド・クローネンバーグのファイヤーボール(1978/カナダ) | ニトロ燃料を食らってただ真っ直ぐ走るだけ。スピード偏執狂という内燃機関文明が生んだ異常心理。進化の袋小路の勇ましくも滑稽な姿。グロテスク描写はなく意外に普通の話。 | [投票] |
★4 | 英国式庭園殺人事件(1982/英) | 余りにも醜悪なものは、余りに罪深いものは、そっと暗示されなければならない。図像学とはそのためのもの。熟しすぎた果実のような悪臭一歩手前の香気。何ていやらしい映画…。 | [投票] |
★3 | クローネンバーグの デッドゾーン(1983/米) | 「我は如何にしてテロリストとなりしか」または「パラノイア的人生・その不安と恍惚」。人は正しく世界を認識しているという確信の揺らぐ時。その時、「自分」こそはホラーとなる。 | [投票] |
★2 | イラク −狼の谷−(2006/トルコ) | フル装備の分隊を拳銃で壊滅してしまうトルコ人の強さ。米軍の悪逆非道。クルド人の陰険さ。イスラムの教えの正しさ。…等などイラクの真実が白日の下に。大変勉強になりました。 | [投票] |
★3 | ぐるりのこと。(2008/日) | いい映画とは思う。思うが、糞真面目にうんざりしてしまったのも確か。いつか、『渚のシンドバット』の、あの青い入り江のような場所へみんな帰ることが出来たら…と願っているが。 | [投票] |
★4 | 戸田家の兄妹(1941/日) | 記念写真・冠婚葬祭・家族会議…。なんと人生はしゃちこ張るばかりの実の無い行事に埋まっていることか。しかし、結末は驚くばかりに爽やかだ。戦前は明るく品の良い時代だった。 | [投票] |
★3 | プラハからのものがたり(1990/英) | 素っとぼけて煙に巻くのかと思いきや、とても率直に語っている。「真っ当さ」の根っこがあればこそ「異常」の花を咲き誇らせることもできる。一番無茶をするのは「普通の人」なのだ。 | [投票] |
★3 | スターリン主義の死(1990/英) | スターリン主義とシュヴァンクマイエルの芸術は「在り得ないナンセンス」という一点で共通する。人の頭の中で発芽する「愚かさ」という名の種子。ある意味自伝的作品と言えるかも。 | [投票] |
★3 | アナザー・カインド・オブ・ラブ(1988/英=独) | 背筋の凍る黒さも、めくるめく崩壊も、洒落た悪戯もなし。シュヴァンクマイエルとしては題名通り「別種の愛」に走ってくちゃくちゃにしてやりたかったところだろうが…。自制した? | [投票] |
★4 | フローラ(1989/米) | は… | [投票] |