[コメント] ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日)
どこにも居場所がない時に感じる「寂しさ」が、東京の街にはよく似合ってるのだと思う。
この映画において日本が差別的に描かれているとかどうこう言う人がいるけれど、作品のねらいはもちろんそんなところにあるのではなくて、異国の地に滞在することで起こる「どこにも居場所がない」という感覚の輪郭をはっきりさせるために、「東京」という街を舞台にしたのだと思う。
ソフィア・コッポラの作品は、前作『ヴァージン・スーサイズ』のときにもよく言われていたけれど、「雰囲気だけの映画」だとよく言われる。確かに、親父の映画のようにテーマをこれでもかと深く掘り下げる姿勢はあまり見られない(それゆえ、今回オスカーの脚本賞をとったことに僕は違和感を覚える。とるなら監督賞だろう)。しかし、ソフィアの場合、その「雰囲気」が語るものがあまりにも大きく、そして重い。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (15 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。