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[コメント] トロイ(2004/米)

オーランド・ブルーム株大暴落。
muffler&silencer[消音装置]

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







長尺を感じさせないテンポの良さは、(意地悪く)言い換えれば、ギリシャ神話のお勉強ダイジェスト映画とも。

船や人の大群、建物や風景などセットの大きさに反して、『ベン・ハー』や『ロード・オブ・ザ・リング』と比べて、どこか「壮大さ」に欠けるのは、監督がヴォルフガング・ペーターゼンゆえか…

それにしても、パリス演ずるオーランド・ブルーム。よくこの役を引き受けたものだ。メネラウスとの決闘シーンではゴキブリさながらに這いずり逃げだし、勘違いからアキレスを射て、「オレはやったぜ!」とばかりに満足げに男ひとり生き延びる。思えば、こいつの下半身のせいで、何万人もの戦士が死に、トロイ国は滅びたんだなあ。いやはや。

ただ、オーランド・ブルームにしろ、アガメムノン(ブライアン・コックス)にしろ、この『トロイ』には、『グラディエーター』のホアキン・フェニックスのような光る悪役がいない。悪役が光ってないということは、同時に、ヒーローも光らない。さらに、「光る悪役の不在」は、つまり、この映画には「人間」を描く深みが足りない証となる。

結果、いかに船がダーンと並んでようと、戦士の大群がゾロゾロいようと、城がドドーンとそびえていようと、人間(の中身)が浅く小さいために、どうも物語に「壮大さ」が欠けることになるのだ。

それにしても、ブラッド・ピット。下半身も鍛えましょう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (12 人)disjunctive[*] ジェリー[*] けにろん[*] eye-drop ペパーミント[*] IN4MATION[*] セント[*] ゆーこ and One thing[*] Myurakz[*] Walden[*] らーふる当番[*] ころ阿弥[*]

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