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[コメント] トランスフォーマー(2007/米)

「本物のラプターは、あんなに低く飛べない」
ヒエロ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







・・・って、最新鋭機の限界性能をバラしてええのかよ?

とは言え、一般人を巻き込みながら、派手なドンパチを市街地のド真ん中でやってる割には、軍の地上戦力は一向に増強されないわけで、この辺は、円谷から続く「孤軍奮闘の正義の味方。命をかけてやってやるぜ」を守っていて、それなりに日本ぽかった。

そもそも、この映画、子供向け夏休み映画なのは見る前から知っていたので、見た後も、金を返して欲しいと思うほどでもなかった。ま、想定内という感じ。監督が監督だし。

一番は、2万個に及ぶパーツが同時に動くのが見たかった・・・けど、これが期待したほどじゃなかったので、残念。一番の見せ場と期待した肝心の変形シーンで、クローズアップが無くてつまらんのですよ。変形ギミックは、変形過程全体が見える引きのショットと、コネクション可動パーツのマクロアップショットの連鎖がお約束。この映画の演出家は、そんな基本も知らんらしい。

そもそも変形ロボットものは、見る者にとって、「何がどうなって、ああなるから、こうなってんのか・・・」つう納得感があって、初めてロボットに命が吹き込まれるわけですよ。コンバトラーVしかり、ゲッターロボしかり、勇者ライディーンしかり。別に、ギアやロットのクローズアップを見たからって、それがどの辺のパーツで、どんな働きがあるのかなんて、判りません。判るわけないじゃん。けどですね、ギィギィ ガシャン カッコン とかのアップがあると、なんか納得できるわけですよ。納得感があって初めて応援したくなるわけですよ。ロボットアニメのわずか25分前後の貴重な放映時間枠に対して、変形シーンの時間比率が比較的長く、しかも、毎回同じで分かり切っているのに、それでも毎回同じシーンが繰り返されるのは、変形の瞬間が命が吹き込まれる瞬間だからであり、子供は、命があって初めて応援したくなるのです。

ところがこの映画、端からストーリーは捨ててるくせに、肝心の変形シーンがこれでは、子供が見ても「大人になってリメイクされたら、ワクワクしながら見に行く」映画ではないなぁ。マイケル・ベイって本当に阿保なんだ。

ラプターの性能がどうのと、変にマニアチックな台詞が登場する割には、ロボットものの基本もお座なりの、普通のまんが映画だった。

(評価:★3)

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