[コメント] 流れる(1956/日)
好きな映画は他にもたくさんあるが、出来の素晴らしさという点ではこれまで観てきた数百本の映画の中でも一番かもしれない。感服。
高峰秀子が若い芸妓に小言を言っているファーストシーンから、ただならぬクオリティの高さを予感。そのままラストまで、大女優、名女優たちが繰り広げる、全てのシーンの会話、表情が一つ残らず素晴らしく、見惚れてしまった。
昨今グローバリゼーションの功罪について盛んに語られているが、この映画を観て、昔ながらの「日本文化」というものが本当に失われてしまったんだなあ、と改めて思いを強くした。衰退しつつある花柳界を舞台にしたこの映画は、まさにその「失われつつある」「流れる」過程をリアルタイムで切り取った作品となっており、その点でもとても興味深く感じた。
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