[コメント] シェイプ・オブ・ウォーター(2017/米)
最近の大人なんてのは幼稚なんですね。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大人のファンタジー?だそうだけど、どのへんが「大人の」なんだろう? 血まみれや性描写、聾唖者や同性愛者が出てくるから? せいぜい見た目のことだけじゃないか?
世間からのけ者にされている主人公と異形のものの出会い。親近感とやはり越えられない断絶。そんな子ども向けに大人が書いてくれた物語を子どもの頃にいっぱい触れた。それらのほうが、より現実的だったし、残酷だったし、哲学的だった気がする。同じのけ者同士であっても「われわれはわかりあえない」。そういうことををちゃんと子ども心に受けとめていたと思う。それに引き換えこの相手への理解がすすむすすむ、幼稚な思考が充満する怪物ものは何なんだろう? 何が描きたかったのだろう? なぜ「わかりあえる」話なんか物語る必要があるのだろう? 「わかりあえた」っていう話ならともかく。
この全体的ななまぬるさは、こういうジャンルが市民権を得ていて、それに甘えているからかも知れない。市民権を得られない、キワモノだったころのこういうジャンルの作品のほうが全然尖っているのは、それらがまさに異形のものとして差別されていたからでしょう。
あの最後の切羽つまった別れの間際の場面、ジャイルズが半魚人の手をとり自分の頭をなでなでさせるところが良かった。それそれそういうもんですよ、きっと。あれが一番リアリティを感じた。
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