[コメント] うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
自分は、作品を観る時に、普通に「リアリティ」と言う事を考える。「リアルな作品だった」とか、「リアリティがない」とか。「リアリティの無さ」は、あくまでも作品に責任があると考えていた。 でも、「現実」と言うのは、常に自分自身を中心としてしかないものであって、私が「リアルじゃないなあ」と思った、感覚や観念や意識も、作品の作り手にとっては、それこそがその人の「現実」なんですよね。
具体的に、私は岩井俊二氏の作品に、どうしてもリアリティを感じられないのだけれど、それは、彼の作品にリアリティがない、というよりも、彼の「現実」と、私の「現実」が、「共有」できなかった。と、言う事なのかもしれない、と、ふと思ったのでした。私以外の人が全員彼の作品にリアリティを感じれば、それが現実になるのかもしれないけれど、私の現実ではない。(岩井監督の名前はあくまでも例です。)
そしてもし、他人の「現実」に、自分が取り込まれたらどうなるだろう?それはとても恐ろしい事なんじゃないだろうか。
「ビューティフルドリーマー」は、そういう作品だったのだという事を、今更ながら改めて実感しました(遅いね・・・・)。
ラムちゃんの現実世界「ダーリン大好き」に取り込まれる人々の恐怖。
その押井監督の感覚を、「共有」する事が出来た私は、「リアルな話だなあ」と思うのでした。
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独り言のように書いたコメントに、思いのほか投票をいただきましたので、遅れ馳せながら、改めて追記致します。このコメントは、コメンテーターina様の『ファイナルファンタジー』のコメント http://cinema.media.iis.u-tokyo.ac.jp/comment.cgi?u=2281&mid=9226 と、同じくコメンテーター muffler&silence(r)[消音装置]様の掲示板での書き込み「正義の見方」と言うツリーの ■ Re: 僕も率直な意見を少々( 2002年02月24日12時49分更新 )http://cinema.media.iis.u-tokyo.ac.jp/bbs.cgi?topic=255&page=1 と言う2つのテキストに合わせてインスパイアされて書かせていただきました。自分オリジナルの思考も含んでいると考えておりますので、続けてアップさせていただきますが、 このコメントに少しでもご興味を持って下さった方には、上記のテキストをおすすめ致します。
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