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[コメント] シェーン(1953/米)

 あの哀愁を持たない男を、真のガンマンとは呼べない。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 登場シーン、やけにちゃらちゃらしているのが気になるが、まあそれは置いといて、あの暗そうな表情。神経質な態度。

 ガンマンは人殺しだ。酒場をよく荒らしてるし(映画の中で)、馬を撃ち殺すし(馬は高い)、日常生活上は基本的に悪役だ。嫌われ、追い出されるものだ。このシェーンのかっこよさ(時には弱々しさにもなるけど)はその背負ってきた過去の堆積によるものだ。あの子どものいる家庭、奥さんに子どもに土地財産に穏やかな雰囲気、ガンマンは一生持てないもの。

 この映画はその日常の幸せの結晶ともいうべき「子ども」に重点が置かれている。それがいい。子どもといるときはガンマンだってひとときの幸せに浸れるのだ。ただの優しいおじさんにもなれるのだ。幸せそうな日常、穏やかな雰囲気、すばらしい風景。一生そこに浸ることが許されないことであっても。

 悪役もいいなあ。二丁拳銃。黒ずくめで、卑怯そうだなあ。わかりやすい。しかも歩くときには板の床に拍車がチャカチャカ鳴って悪そ〜。こいつと対決するときのシェーンもまた、拍車をつける。二人ともガンマンなんだね。拍車はアウトサイダーのシンボルってとこなんだろうな。

 そう、ところでこのシェーン、有名なアラン・ラッドの早撃ち。子どもに教えるシーンで計測してみました。あの時は5/3(弾数/秒)、一発あたり0.6秒ですね。はやーい。精度は、5発中3発しか画面に映ってないのですが、その3発中2発が当たっていますね。精度はいまいちかもしれないが、数撃ちゃ当たるということで。

 酒場でのクライマックスも、シェーンは5発撃つ。6発目は撃たない。弾入れ大変だからね。弾をすべて撃ち尽くしてしまった、そのときこそ、ガンマンに、死が、やってくるとき。だからわたしはB派です。cinecine団様。B派!B派!絶対B!誰がなんと言おうとB!

(評価:★5)

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