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[コメント] ギャラクシー・クエスト(1999/米)

B級テイストに仕上げたA級作品。スタートレックに敬意を表しつつ、一般人にもエンターテイメント作品として楽しめる創りになっている点が素晴らしい。スタトレのドクター・マッコイ役の故ディフォレスト・ケリーも草葉の陰で喜んでいる事でしょう。
さいた

凄いね、凄いね、この作品。何が凄いかと言うと、スタートレックファンが楽しめるのは勿論、スタトレを観ていない一般人も問題なく観られる創りになっているところ。スタトレのパロディーでエンターテイメント作品を創作してしまう辺り、ドリームワークスの実力は底知れない物があると感じました。とにかく未見の人はスタトレファン如何に関わらずに観て下さい。CinemaScapeでも殿堂入りをしているくらい素晴らしい作品ですから。

世間ではスタートレックファンの事を”トレッキー”と呼んでいるのはご存知でしょうか?こんな事を言うと笑われるかもしれませんが、本当にスタトレのエンタープライズ号やカーク提督は存在するのです。僕達トレッキーの心の中に存在するのです。「ギャラクシー・クエスト」の素晴らしい所は、この夢を壊さないようなシナリオを組んでいる点です。全体的にはスタトレを揶揄しているようなコメディー路線ですが、この夢を壊さないと言う一点については、きっちりと押さえている脚本なのです。これは流石としか言いようがありません。きっと監督や脚本家もスタトレが好きなのでしょう。トレッキーにとっては嬉しい限りです。

さて、ここで一口メモ。ネズミス一行がサーミアン達に”自分は役者だ”と言う事を説明するシーンで、字幕では「13日の金曜日シリーズと同じ・・・」、吹き替えでは「猿の惑星もそうだけれど・・・」とありますが、原語では「Gilligan's Island Is a・・・」なのです。この「Gilligan's Island」とは60年代にアメリカで放送されていたTV番組で、日本では「ギリガン君 SOS」と言う邦題で放送されていました。無人島に漂着した観光客の脱出を描いた物語りなのですが、日本では有名な作品ではないので、吹き替えや字幕では有名な映画に差し替えたのです。

最後に・・・、実は本家スタートレックのミスター・スポック役のレナード・ニモイも、「ギャラクシー・クエスト」の中の役者達と同様に、ミスター・スポックと同化してしまうのを恐れていたみたいです。TV放送終了後、レナード・ニモイは「I Am Not Spock」と言う著書を出しています。そして、”もう一度スタトレ復活を!”と言うファンの要望に応えて新作を創る計画が持ち上がりましたが、レナード・ニモイだけが出演を拒否しました。しかし根気よく交渉を粘った結果、ようやく映画の出演をOKしたと言うエピソードが残っているのです。そして暫くしてレナード・ニモイが出版した本のタイトルが「I Am Spock」でした。この辺り、ギャラクシー・クエストの中の役者達の気持ちと似ているのは偶然でしょうか?

ネバーギブアップ!ネバーサレンダー!さぁ!皆も一緒になってクルー達と胸に手を当てて敬礼しましょう!エンタープライズ号に乗船している様な錯覚を起こすことウケ合いですよ。

(評価:★5)

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