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[コメント] トラフィック(2000/独=米)

麻薬へ取り組む2人の”主役”通じて、アメリカ・メキシコ両国のかかえる社会問題を描き、アメリカ政府への風刺をも感じさせる作品。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 アメリカにとっての麻薬は、物質的に豊かになり心が貧しくなった”結果”として存在する。

 一方、メキシコにとって麻薬は、物質的な貧困から逃れるための”目的”として存在する。

 結果にせよ、目的にせよ、そこに至るには過程がある。その過程を修正することが本当の麻薬対策なんだろう。

 ラストの、マイケル・ダグラスが娘とリハビリに取り組む姿と、ベニチオの少年の野球を見る姿は、これを物語っていた。

 買う者、売る者をつくるまいという、2人それぞれのラストの姿勢に共感した。

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 本作は、何かにつけ”正義?”を主張し、本質的な原因を無視したアメリカの政策に対する強烈な風刺とも感じた。

 肝心なことは、麻薬を取り締まることでも、テロに報復戦争することでもない。

何故、麻薬が蔓延したか? 何故、テロリストに狙われるのか? そこだとおもう。

(評価:★4)

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