[コメント] 耳をすませば(1995/日)
ダメなところがたくさんある映画だが、少女がはじめて少年の家の階段を降りてベランダへ出るシーンがたいへん美しい。ああいう何の意味もないシーンの美しさが、この映画を劇的に救っている。
歩きながら見上げる飛行船、晴れた日の薄暗い路地の坂を歩いていく猫、雨あがりの雲が流れる郊外、神社の木漏れ日、夜明け前の国道。
少女の恋物語もいいけれど、本音を言うとオレはどうでもいい。これはオレにとっては、見慣れた風景やありふれた言葉の美しさを改めて気づかせてくれる映画。「映画みたいな瞬間」は、退屈な日常の中にも必ず潜んでいる。それはオレたちが気づくのを待っているんだ。
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