[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
これを観て「ああ、自分はああならずに良かった」と言える人は、多分シアワセなのだろう。「狂気を交えない偉大な魂はない」と誰かが言っていたっけ。でも、逆もまた真なり、でないところが哀しいところでもある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公の性格からして、ああなる可能性は前から内在していたのだろう。極端な数学バカで付き合い下手、夢見がちな男であるのだから。
かくして彼は陽性の精神分裂症となり、妄想を見ることになる。だが、それこそ「精神分裂症の特効薬があったらノーベル賞もの」なのであり、彼の妄想は消えることがない。だから、彼がその妄想との共存の道を選んだのは正しい選択である。病気はすでに彼の一部であり、それを失うことによって彼の長所までももぎ取ってしまうのではあまりに勿体無いことであるから。実話では、彼の息子も同じ病気を背負っていると聞く。そこから逃げるのではなく、共生を試みること。それによって彼のバイタリティや才能は失われずに済んだのだ。
同じく精神の病を持つ者にとって、長いつきあいを経て病気と連れ合いのようになるまでに達観することは、かけがえのない夢である。
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