[コメント] スワロウテイル(1996/日)
「あーーなんかつまんなさそうなの借りて来たなぁ」と思っていたけど、最後はこの世界に漬かってしまった…。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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エグッチョンさえも、美的に見えてしまう岩井俊二ワールド、えらい豪華な役者を揃えてのスペシャルバージョン。
しかも、映画独特の言語リャンキ語まで入り乱れての演出、日本人に日本語を話させず、白人に日本語しか話せないキャラを演じさせたり、好き放題!!
なのにどっか惹かれてしまう。
円を「イェン」と妖艶に発音し、戦後を思わせる雑踏とした町並み。不似合いなようで馴染んでいるハイテク機器。嘘臭い偽札に躍らされる円都の人々。そしてなによりも切ないグリコの歌声。
見上げる空にアゲハ蝶が舞う。不思議の国の不思議の街。
けれど、メッセージはある。円に躍らされ、80年代甘い汁を吸ったバブル世代の大人達へのメッセージ。友情を守り孤独に死んだ男が残した、大空への憧れ。大空へと高く上がっていくスワロウテイルの看板を見上げる男は、自分に羽がないことをどう思ったのだろう。地をはうどぶねずみは、いつまで経っても空へはばたけないのだ。
「お金なら、お金ならいっぱいあるじゃない」 けれど、お金は何もしてくれなかった。少女の叫びが切なすぎる。
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