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けにろんさんのコメント: 投票数順

★2炎の舞(1978/日)隔絶された世界で燃え上がる恋人達。の筈が全く燃え上がってるように見えないので、妙にしんねりむっつりしただけの代物になった。百恵の能面からは愛の炎は終ぞ表出されず、表面ずらだけストーリーをなぞってみたの誹りは免れない。土台無理筋の題材だ。[投票]
★2土佐の一本釣り(1980/日)何が面白いのかさっぱりわからない話。なのは我慢できてもすーちゃんの如き性格も良い別嬪さんが海のもんとも山のもんともわからんガキに惚れ抜いちょるという設定は俺の理解から1億光年隔たっている。むかつきまくりの90分。もうちとマシな男にせえ。[投票]
★2スネーキーモンキー 蛇拳(1976/香港)クンフー映画に於ける格闘としての拳法の対極としての舞踏味を打ち出した新味は斬新であったし、ジャッキーベーシックキャラ確立の試金石なのだから仕方ないとは言え『ヤング・マスター』以前の一連の作は面白いがとにかく安い。自主映画みたく安すぎる。[投票]
★3サイレント・パートナー(1978/カナダ=米)サイコなパラノイアと小心な真面目男という構図は何時しか崩れ小心者はけっこう大胆になっていく。その変化を脚本は巧くは衝いてないので何処か大味。確かにクリストファー・プラマーは相当に不気味だが『殺しのドレス』のマイケル・ケインとダブる。[投票]
★3オール・ザット・ジャズ(1979/米)お手盛りの自画自賛映画だとしても、せめて10年早くフォシー自身の主演で撮って欲しかった。ショービズにどっぷり浸かった男の佇まいがシャイダーではどこか嘘っぽい。ロトゥンノを擁してもフェリーニの夢幻の境地にも到達仕切れなかった。[投票]
★2ふたりでスローダンスを(1978/米)冴えない親爺の話というならそれはそれでいいのだが、良識的なる仮面の下のおっかなびっくりの下心を爆裂もさせぬままに曖昧に温く物語りは進行するだけ。いくらなんでも地味すぎ。『ロッキー』ヒットの余波で日の目を見たアビルドセンの理解不能な情熱。[投票]
★2ぺトラ・フォン・カントの苦い涙(1972/独)限定されたサディスティック密室劇でさして魅力的でもない中年女性の鬱屈した精神の変容を見つめ続けるには、多少の叙述レトリックは必要だったのではないだろうか。例によって青を基調とするバルハウスの撮影も相当に単調で描写に魅力を感じられない。[投票]
★2マイ・ロード(1980/日=米)白人女と一発やりてえという恥も外聞も身も蓋もない話を脳天気に繰り広げられても、どう対処すればいいというのだろうか。日本人の平均的意識レベルを忠実に反映した時代の産物とも言えるが哀しくも侘びしい出来となった。撮影と音楽は存外に悪くないのだが。[投票]
★2奇跡の人(1979/米)怜悧なモノクロで繰り広げられた血の滲むような激闘史は弛緩したカラーでの縮小再生産で凡庸化。ヘレン役メリッサは頑張ってるのだろうが所詮は伝統芸の通過儀礼に過ぎない。世界の拡張を表現する演出上の気概も欠如しお定まりの演技をトレースするだけ。[投票]
★2夕暮まで(1980/日)焦らされる過程を楽しむには料理番組程度のグルメぐりではデカダンが足りないし、鈴木のカメラも平板で安い。オリーブオイルで素股の性愛描写も覚悟が無いから訳わからん体たらく。処女性への拘りがかおり相手ではどうにも表層を上滑り形骸化した。[投票]
★3砂漠のシモン(1965/メキシコ)珍奇なイメージが散発され小振りにまとまっているが、ワンアイデアだけの中篇で、脂の乗りきった60年代ブニュエルのものとしては物足りない。悪魔の誘惑は面白く愉しいのだが更なる絶望や恐怖をこそとも思う。ラストの壊し方はらしくて好きなのだが。[投票]
★2女と男のいる舗道(1962/仏)娼婦であるというリアリズムが、ドライエルを見て涙し哲学者と会話するゴダール脳内醸成された「女性」と乖離しまくる。見てて恥ずかしくなるような青臭さ横溢。カリーナ愛はけっこうだがジャンル冒涜の連作の1篇。[投票]
★3北陸代理戦争(1976/日)やたらテンポが良く飽きはしないものの、北陸の田舎やくざの寂寥感がうら寂しさを横溢させ、ルーチーンが退廃へと突き抜けることもないままジャンルの末期感が漂う。山守が分化したような西村ハナ2枚が定型演技で緊張感を阻害するのも弱かった。[投票]
★4ロッキー2(1978/米)初作の成功を受けつつも未だ清新な気持ちを保ちつつで望んだであろう本作。どん底の寂寥感は消失したが予算は増えて終局へのカタルシスは倍加した。ファイトシーンの圧倒的質量感。スタローン御自らの演出も過不足なきシリーズ最高作。[投票]
★3異邦人(1968/仏=伊=アルジェリア)一流の匠達が粋を尽くした器に盛られた純文学の贋作だが、終ぞこのムルソーからは真の実存主義的テーゼは見えてこない。原作を絵にしただけならまだしもだが後半の裁判シーンの冗長さが解説めいて自堕落。ただ暑かったから殺したを単に描けば事足りるはず。[投票]
★3さすらい(1957/伊)2度とは戻れぬ過去にしがみついて虚無と絶望の狭間をたゆたう様が、アントニオーニの後のグエッラ共闘作品のような透徹された先鋭ではなく物語の枠に未だ拘泥しており緩く平凡に感じられる。急転直下に流れを断ち切るラストは確かに秀逸ではあるが。[投票]
★3道(1954/伊)対比されるべく書き込まれた粗暴や狡猾と無垢や慈愛が極北的に配置されたのは解るが、クインマシーナが余りに線上から逸脱し無さ過ぎでキチキチでしんどい。ベースハートが逸脱のキーマンだったが力量が無く物語もそのようには組まれなかった。[投票]
★2地震列島(1980/日)米『大地震』の三角関係に対抗する為、四角関係にしたのかは知らないが勝野永島も唐変木で色気が無く、かと言って『日本沈没』の男達のような刹那な狂気もない。救い難くダルい。特撮も完全な使い廻し。しばたはつみの主題歌だけが心に残る。[投票]
★3赫い髪の女(1979/日)過去になぞ興味無く未来なんてどうでもいいという刹那は解る。だが性欲世界に埋没していきそうに見えて、しかし結構リアルな生活者であったりする。その匙加減の問題。日常を引きずった台詞からは、かえって作意が垣間見える気もするのだ。覚悟が欠如してる。[投票]
★3思えば遠くへ来たもんだ(1980/日)古生代ジュラ期の化石の如き民青イズム臭横溢する物語とニキビ汁と四畳半のスペルマを彷彿させる海援隊というマイナス要因が合体し2乗されれば何故か普通の映画になった。何かが変わる気配は微塵も無いけど、叙情性あふれる主題歌はかなり好きだった。[投票]