コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ヴィレッジ(2004/米)

これが二番館の二本立てでひっそり上映されていたり、地方TV局で昼下がりに放送されているのを何かの拍子に見てしまう、なんてことだったら、これはちょっと面白いんじゃないか?と思ったかもしれない。ただ、やはりシャラマンは只者じゃないと思った。
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 **************完全にネタバレです**************

前回でのCGが評判が悪かったことを反省したのか、今回CGはほとんど見られない。で、なんと本当の着ぐるみで一発勝負しようという、その根性(いったい、本気で勝算があると思ったのだろか?)には、正直心を打たれた。だって、あんな文化祭のお化け屋敷の出し物みたいな着ぐるみが、ヒロインに襲いかかるんですよ!あまりにも無謀なシーンに倒錯的な感動を覚えてしまった。

これだけ上映時間が長くても、村の自給自足ぶりが描けていないのは問題だろう。世間から隔絶してるわりには、妙に村が豊かに見える。堅牢な石造りの家があるし、服は、金属性の用具は、どうやって作っているのか?一応医者がいるようだが、薬はすべて薬草かなんかなのか?現実に完全な自給自足は可能かもしれないが、映画をみてる分にはリアリティはない。 ブライス・ダラス・ハワードエイドリアン・ブロディは熱演だが、ラストを見ると二人の障害が辻褄あわせのためだけの設定なんじゃないかと思わせ、少々不快になった(これをうまい設定とみる立場もあるだろう)。アイヴィーは「真実」を目の当たりにするべきだし、その上で自分の生まれ育ったあの村をどうするのか、絶望とそこからの再生、そういう心の葛藤を描くべきなんじゃないか?

いろいろ穿った見方をすると、アジアからの異邦人である監督の、USAに対する皮肉、と受け取れる。最近、マイケル・ムーア氏の映画、著作のヒットもあって、アメリカ人は他の国で何が起こっているのか、全然知らない、また知ろうとしない井の中の蛙なのではないかということが取り沙汰されるようになった。村人はすべて白人、若者が疑問を感じ始めると、外界は恐ろしいところだ、とか怪物(テロリスト?)がいるとかいう脅しを定期的に行う。何となく分からないじゃあない。その場合、最後に出てきた警備員が有色人種(というか、監督が奥に引っ込んでないで演じればよかったのに)だったらテーマは明確だったんだけどね。なぜ急に遠慮する?

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (14 人)ペンクロフ IN4MATION[*] トシ はしぼそがらす[*] ごう peacefullife[*] mimiうさぎ[*] tredair ミルテ[*] 空イグアナ[*] ざいあす[*] 甘崎庵[*] フランコ すやすや[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。