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[コメント] アメリ(2001/仏)

ファンタジーの誤用。この映画が描くべき事柄は箱庭の中にはないのに、この映画はとうとう現実への一歩を踏み出さなかった。危ぶむなかれ! 踏み出せばその一足が道となるのだ。
ペンクロフ

この映画で描かれ続ける、現実には存在しない小奇麗な箱庭的風景。きっと、アメリには世界がそう見えているのだろう。この映画のペラペラの小奇麗さに夢中になる人々の気持ちも、わからんでもない。確かにオシャレだ。でも、オレは「オシャレ」であることそれ自体にはビタ一文の価値も見出さない人間だ。

アメリが探す「幸せ」(ああ、なんと薄っぺらい言葉の使い方だ)は、この映画で描かれた箱庭的モンマルトルの中にしか存在しないものなのだろうか? 断じて違う! それはどこにでもある。小さなファンタジーを探す「モノの見方」さえ鍛えていれば、泥の中にさえ美しい蓮の花を発見できる。思えば『フィッシャーキング』だの『どですかでん』だのなんて映画は、そんな映画だったのではなかったか? オレはいまさら『アメリ』には熱狂できない。この映画は、箱庭から一歩も踏み出していないから。

アメリ』という映画が本物ならば、たとえばアメリが野菜屋の主人にやった非人道的テロ行為のかどでブタ箱にブチ込まれて、いきなりテレビ東京でよくやる女囚モノみたいになったとしても、彼女は彼女のままであり続けられたはずだ。オレが見たかったのは、空想の力で現実を変えてゆく彼女の人間力(にんげんぢから)であって、オシャレな部屋や服や小物ではない。

(評価:★2)

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