[コメント] 15時17分、パリ行き(2018/米)
英雄といえども、実はごく普通の人間でしかない。が、やはり選ばれた人間だからこそ英雄になれるのだ。
そんな英雄観が、少しだけ人と違った少年時代からの生い立ちの回想と、まったく特別なことは起こらないヨーロッパの観光旅行のシークエンスを経ることで刻み込まれる。
無理やり意味づけるならば、理不尽に問題児のレッテルを貼られた少年時代は、偏見のレンズを通して他人を見ることの愚かしさを現し、ヨーロッパ旅行の場面は彼らがごくごく普通の善良な市民であることを意識づけている。
IMDbなんかでは評価が予想外に低い。いわゆるストーリー性の薄さに起因するものなのかもしれないが、自分にはいずれのシーンもとても「面白く」感じられた。あのように、どうということのない場面をしっかり観せるところにこそ演出力の確かさを感じる。ベネチアで出会う女性が可愛いが、何もなくストーリーから消える甲斐性のなさが心地よい。
とにかく3人のキャラがよい。ネイティヴからみると彼らの台詞回しなどがどう聴こえるのかはわからないが、自分にはまったく素人っぽさを感じなかった。そして彼ら3人をそのまま小さくしたような子役3人をよく見つけてきたな、と。
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