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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

とにかくスケールが圧倒的で、観ている間、観客を中つ国の世界へ連れていってくれる。この映画作った人たち、ホントにうらやましいよ!もう指輪の魔力に完敗。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画館で観てとにかく圧倒されっぱなしだった。原作は未読だったが、少し予備知識を頭に入れていたお陰なのか、最初の10分ですんなりと中つ国の世界へ。祖国の平和を願いながら死んだボロミアに泣かされた後、フロドとサムが旅立って最高に盛り上がったまま物語は1年後に続く。「え?もう終わり?」三部作だったことは知っていた。別に終わり方に納得できなかったわけでもない。ただ3時間(正確に言えば2時間58分)経つのが早すぎたような気がしたのだ。時間の長さを全然感じずにフロドと共に10人目の旅の仲間として旅することが出来た。そのお陰で不評だった戸棚(戸田奈津子)さんの字幕の存在さえも大して気にならなかった。それから9ヶ月。30分本編が延びた特別編本編が収録されたDVD「スペシャル・エクステンデッド・エディション(以下SEE・9800円{税抜き}で絶賛発売中)」の発売をどれだけ待ったことか。発売一ヶ月前からは、これだけを生き甲斐にして(するなよ)生きてきた。待ちきれなくてレンタル二回もかりたし。

そして届いたSEEの本編は予想以上の完成度だった。届いた喜びで、DVD再生直後のメニュー画面を見ただけで涙が・・・。ホビットの説明も序盤に加えられ、よりホビットについて分かりやすくなり、ホビット庄のシーンが楽しめるようになった。その分、物語が進むにつれ過酷になっていく運命を考えると、とても悲しくなってきて涙が出てくる。

SEEで加えられたエピソードの中でも興味深かったのはガラドリエルからの贈り物のシーン。旅の仲間全員にガラドリエルが贈り物を与えるのだが、ギムリがガラドリエルから髪の毛をもらうところが面白い。もじもじしながら「奥さまの髪の毛を・・・」てな感じで。ガラドリエルが髪の毛を一生懸命引っこ抜くシーンがあるわけではないので(あったら大変だっての!)、映画の雰囲気を壊さず、そして微笑ましいものにしている。

SEEを観た直後、劇場で本編を見終わった直後に症状が出始めた「早く二つの塔観たいよ病」が再発した。「ここは別な映画を観て気を紛らわせよう」と、近所のTSUTAYAに行った。すると本売場のところで原作が目に入り、映画に出てくる指輪のささやくような誘惑の声が「グラァミネーター、グラァミネーター。二つの塔を観る前に読んでみろゴルァ。」と呼びかけてくる。そういうわけで、「王の帰還」を観るまでは読まないと決めていた原作を、指輪の誘惑に負けて読むことになった。とりあえず楽しみは映画のために残しておこうと思い、本作の原作部分に当たる「旅の仲間」だけ読んだ。本のことはここで詳しく書くつもりはないが、映画のことを織り交ぜながら簡単に。

原作は最初の方など「説明キツー」と思ったところもあったが映画を観ていたお陰で助けられラクに読み進むことが出来た。映画を観すぎたせいで、殆どホビット庄のイメージなどは映画通りのものしか思い浮かべられなかったものの、それ以外にイメージが浮かんでこなかったのは、映画の中で創られた中つ国がそれほどまでに完璧で、今まで原作を読んできた沢山の人たちのイメージ通りだったからなのだろう。また原作では袋小路屋敷をあとにしてブリー村に行くまでの、映画では数十分で語られた部分だけでも、原作ではトム・ボンバディルという個性の強いキャラクターが活躍したりと細かいエピソードがたくさん出てきている。正直、こういうエピソードも映像で観たかった。メリーとピピンがついてくるいきさつだって原作の方が良かったと思う。しかし映画は原作の言葉によって広がっていた壮大な世界を完璧に再現している。あの美しいホビット庄や裂け谷、モリアなど中つ国の様々な地を、最高の興奮と感動を味わえたのだから別に俺は映画に文句を言おうなんて全然思いもしない。また映画では冒頭で一気に説明された指輪を巡る争いも物語全編にちりばめられていて、映画を観る前では覚えるの大変だったろうな、と思ったりした。原作の良い面を映像にしながらも、細かいエピソードを削ったり、順序を入れ替えたり、エピソードを追加したりするのは指輪物語を愛してやまないスタッフ達にとっては、とてもツライ作業だっただろう。まあ、こっちにしてみれば出てこなかったあのキャラクターを誰が演じていたんだべ?このシーンはどういうロケになったんだべ?どういう風に映像化されてたべ?と勝手に頭で想像して楽しむことは出来るので、そういう楽しみかたが出来るぶん、いいかもしれない。

原作を読んでみてキャスティングがほぼ完璧ということも分かった。ごく少数を除きみんなハマっている。役そのものだ。「ヴィゴ(アラゴルン)は好みじゃないからラブシーンが嫌だった」らしきこと語ったという噂のアルウェン(リブ・タイラー)なんかはエルフとしての気品があまりなかったような気がしたが。指輪物語のファンで「映画に出演するのが夢だった」と言っていたサルマン様(クリストファー・リー)はガンダルフ(イアン・マッケラン)と一緒に助演男優賞にノミネートされてもおかしくなかった。気合い入ってて完璧。あれで80歳はさすがに信じられない。アラゴルンのヴィゴ・モーテンセンは出演が決定したのは撮影が始まる数日前だったって言うのに、剣の扱い方を猛特訓してモノにしたって言うし。顔の長いリ○・タイラーとは志も違う。そしてフロド(イライジャ・ウッド)は何よりも目がいい。怯えるような目、決意したときの目。彼が行うことはとてつもなく大きな事ではあるが、決してアラゴルンやガンダルフのように目立つことではない。だが、イライジャの表情がフロドの想いや責任をすべて物語り、存在感をもたせている。こんな表情を出来る俳優はどこを探してもなかなかいないだろう。

またSEEのメイキングを見ると、どのようにしてこの世界が再現されたかについても分かり、かなり興味深い。合成だとばっかり思っていたフロドとガンダルフが馬車で移動するシーンなどは、座る位置を60センチ(だったかな?)ずらし、馬車の形も変形したものをつくり、遠近法を利用していたということなどなど。DVDのためにかなり編集が加えられているであろうメイキングだが、キャストが撮影時の話をしていたり、スタッフが熱くなりながら指輪物語のことを語っていたりすると、本当にうらやましく思えてくる。スタッフは何年も情熱を費やし、キャストは15ヶ月もぶっ続けで一緒に撮影するわけだから当然、ふつうの映画じゃ体験できないことだろう。こんな大きな企画自体、この先あるかどうかわからないし。そんなこと考えながらもう一度本編を観るとこんなスゴイ映画を作るのに携わった人たちをますますうらやましく思ってしまう。俺が例え映画監督になったとしても絶対こんなことできないだろうから。俺もこんな世界、創ってみたかったよ!行ってみたかったよ!つーか住んでみたいよ!冒険したいよ!

最後に映画は完結してなければ、自分も結末まで原作を読んでいないがどうしても言いたい。この素晴らしい世界を創った、偉大なる原作者J・R・R・トールキン様。その世界を完璧に映画化したピーター・ジャクソン様とスタッフの皆さま。スクリーンの中にある中つ国の世界で素晴らしい演技をし、応援させてくれたキャストの皆さま、恐いのに嫌いになれないサウロン軍勢の方々。ついでにこの企画にGOサイン出したニュー・ライン・シネマの方々。本当に感謝します。ありがとうございます。俺にとってこの「指輪物語」は一生の宝物です。これからも何回も読み続け、観続けます。

もひとつ。「指輪を手にした者が世界を救う」というコピー作ったり、3部作だと教えないで観客を混乱させたり、公開時期遅い割に変な字幕作らせたりしてるヘラルドの方々、他数名。やる気ありますか?

(評価:★5)

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