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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

はっきり言ってさ、原作を知らない人間にとっては「ハリポタ」もこれも同じようなもんだと思ってたのよ。そう思ったから、2本を時を同じくして観てみることにした。ところがさ・・・
ごう

全然違うね。

まず観終わった後に激しく後悔した。何故劇場に足を運ばなかったのかって。これほど後悔した作品は近年珍しい。理由は単純に上映時間が長かったからなのだが。

とにかく映像が素晴らしい。あそこまでやられてしまうと観てる側は中つ国の世界に否が応でも入り込んでしまう。これは単純にCGどうたらのレベルではないのだ。では何かというと、もうそれは

「作り手側の気合」

これに尽きると思う。この作品を映画的にジャンル分けしたら「ファンタジー」になると思うのだが、その割には異常に上映時間が長い上に、異常に敵が怖い。いい大人の俺でもビビるシーンがいくつもあった。奇しくも「ハリポタ」と似たような巨大なトロルが出てくるが、実力は原作の違いとしても外見がこっちは半端じゃなく怖い。子供にトラウマのひとつでも残せそうな勢いである。

それでは何故あそこまでの時間と、あれだけの造形にしたのか?それはきっと誰でもない、P・ジャクソン自身が納得しなかったのでは無いかと思うのだ。有名な話だがそもそもP・ジャクソンはこの作品と『キング・コング』をやりたいというのが子供の頃からの夢だったそうだ。

俺はこの話を聞いた時、トロヤ遺跡を発見したシュリーマンのことを思い出した。彼もまた子供の頃から本を何度も読み、成人してギリシャに発掘しに行った際、とある岬で「これこそ僕の思い描いた風景だ!」と言って発掘してそのまま見つけたらしい。P・ジャクソンにとって「指輪物語」がそうだったのだろう。きっと彼の中には最初から中つ国全ての世界と人物の造形が浮かんでいたに違いない。

原作もきっと面白いのだろう。だが、それを映像化する際には確実に作り手の作品に対する「想い」が反映される。当たり前のことだが、本には画などついていない。それに絵を付けるからには作り手がどれだけその世界をリアルに思えるかにかかっているのだ。

作り手が信じていない映像で、観る側が感動できる筈など無いのだから。

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オヤジが昔こんな事を言っていた。

「銃を持つと撃ちたくなる。最初は動かない物。次に動く物。空き缶とか投げて的にしてな。そして最後は自分の意志で動くものだ。だから銃は持たないにこしたことは無い」

この映画を観てそんなことを思い出した。

(評価:★5)

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