★5 | 花筐 HANAGATAMI(2017/日) | 全編を通して急き立てるように“音”が鳴り続け、変幻自在に再構築された“画”が少年少女の想いを増幅する。狂気と紙一重の無邪気さで、黄泉の気配のなか止めどなく噴出する青い生。生命力をもてあました亡霊たちの青春映画。そんな違和と矛盾が充満している。
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★2 | 釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様(2008/日) | 笑いの元が単線。コメディー要素を西田敏行ひとりに負わせるのは、いくらなんでも酷。喜劇としての爆発力など期待すべくもないが、会社物語としの働く者たちの思いや哀愁が描けなくなってしまっているのは、やはりシリーズの思想が世相とずれてしまったせいだろう。 [review] | [投票(2)] |
★4 | 間宮兄弟(2006/日) | 「お前ら、まるで子供だな」の一言を封じ込めてしまうほのぼのとした肯定力。じゃあ「どこまでが子供で、どこからが大人なんですか?」って、聞き返されそうな不思議な説得力。多少バランスが悪く見える者たちをポジティブに描くとき森田ワールドが全開になる。 [review] | [投票(10)] |
★3 | アフタースクール(2008/日) | 前作に比べてキャラクターの明確化と物語の意味づけが濃くなっている分、逆にその掘り下げ方に物足りなさを感じてしまうのも事実だが、映画として抜群に面白いことに間違いはない。内田けんじは、「純粋娯楽映画」という新分野を開拓しているのではないか。 [review] | [投票(4)] |
★3 | ゲロッパ!(2003/日) | 井筒喜劇も洗練度が増し、西田敏行の場を心得たオトボケも安心して笑える。しかし、「手堅さ」というのは時として誉め言葉にならず、パワー面での物足りなさを感じてしまうのも事実。そんな中、ひときは異才を放つ太田琴音ちゃんの能面ギャグ。 | [投票(6)] |
★3 | 魂萌え!(2006/日) | 敏子(風吹ジュン)が獲得する輝きは、決して精神の癒しや外的美しさの変化に起因するものではない。彼女の顔に増した強さのせいだ。奥歯をぎゅっと噛み締めるように頬に力を込めた顔は、女も男も美しい。阪本順治は「決意」の映画を風吹の顔に託したのだ。 [review] | [投票(1)] |
★5 | 海辺の映画館 キネマの玉手箱(2019/日) | いろいろ言うが結論は一緒で、さりげなく、かつ、しくこく念を押される。話しの前後は入り乱れ、長短もテンポも気ままで唐突に思い出話しが顔を出す。いつ終わるのか分からない爺さんの話しを聞かされいるような映画だが、観終わった途端にもう一度観たくなった。 [review] | [投票(1)] |
★4 | だれかの木琴(2016/日) | ある事件が起きる。平凡で小さな事件でいい。まさか、あの人が・・・と、周りから声が上がる。ときには家族からも。あなたに関心がなかった分けではない。みんな、あなたを理解したいと思っていたはずだ。でも出来なかった。あなたにも自分が分からないように。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 星になった少年(2005/日) | ただの動物愛情ものに終わることなく、物語が現代の少年達がかかえる意志疎通不全という悩みに迫り得た要因は、本心の半分しか見せないような柳楽優弥独特の笑顔と、安易な情緒を一蹴してしまう坂本龍一の音楽。その点で河毛俊作は救われている。 | [投票] |