★4 | 生きるために堕ちたというのは、おりんのような女性だ。女というジェンダーと盲目という哀しい性(さが)を背負ったがために、男たちの食いものにされただけ。平太郎だけが、彼女の神秘的な美しさや穢れを知らぬ心根を見ぬき、大切にしてくれた。無垢であることが、二人の運命を少しずつ狂わせ、純情可憐は黒いカラスの餌食となる。
(Linus) | [投票(1)] |
★3 | 水上勉だけに文学的なテーマだから重厚だし、娯楽としての面白さは無いけど、宮川一夫による北陸の厳しく美しい風景や、岩下志麻、原田芳雄、奈良岡朋子、樹木希林、浜村純、原泉など役者がとにかく素晴らしい!映像と役者の演技を見るべき映画かも。['04.3.26京都文化博物館] (直人) | [投票(1)] |
★4 | この話には日本海という舞台がよく似合う。どう間違っても瀬戸内ではない。[Video] [review] (Yasu) | [投票(1)] |
★2 | 世間の境目を見ることなく育った盲目の女が放つ十代の無垢な色香や、二十代のあきらめに裏付けられた艶やかさを、当時三十台も半ばにさしかかっていたであろう岩下志麻に求めるのは無理だったのか。状況描写の美しさに逃げている。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★5 | 篠田正浩の一番丁寧に作った、また志摩さんの最高作。ゴゼさんの最底辺の人生を通し、生きる喜び、つらさを表現しきった。 (セント) | [投票(1)] |
★4 | 多分篠田は陰々滅々たる水上原作に共感を抱いたわけではなく、失われゆく日本の原風景をフィルムに刻みつける方便としただけだ。結果宮川が撮影中に自身で遺言と称したフィルムの輝きは悲惨を浄化し岩下は生々しさから解き放たれる。 (けにろん) | [投票(1)] |
★3 | 重い、ひたすら重い映画だ。当時の邦画界の呪縛そのものがここにある。衿を正し、相当の覚悟をして見る必要がある。最高のスタッフ・キャストだが重さに沈んだか。 (sawa:38) | [投票(1)] |