豊田四郎の映画ファンのコメント
ジェリーのコメント |
駅前旅館(1958/日) | 主筋も脇筋も明確でない上に起承転結も不分明なのだが、それでもいつの間にかエピソードを積み重ねて盛り上がりを作る豊田四郎のうまさは相変わらず。アドリブ芸で押しまくる森繁久弥には妙な雑味があって達者なもの。 | [投票(1)] | |
雪国(1957/日) | まさしく和風味。ただし、江戸風でも京風でもない。ちょっと濃い目の餅菓子の味、砂糖醤油の甘辛さ。岸恵子の美しさは代表作『君の名は』を遥かに超える。 | [投票(1)] | |
四つの恋の物語(1947/日) | オムニバスは苦手。といって杉村春子のうまさで見てしまったのだが、なんでわざわざ不統一なものを作るのだろう。 | [投票] | |
憂愁平野(1963/日) | こんな女達を造形してしまう馬鹿な制作者(オトコ)達を笑え。メロドラマを意図して作られた作品だが、今見ると、金満化の中で勘違いの始まった馬鹿日本人をみて大笑いできるギャグである。 | [投票(1)] | |
雁(1953/日) | 高峰秀子 のまなざしは自意識の目覚めと知性とを過剰に表現してしまうために、ときに、その映画の世界にしっかり溶け込んでいないように感じられることがあるが、この映画ではそういう芸風とお玉という役柄がしっくりとあっていると感じた。 | [投票(2)] | |
墨東綺譚(1960/日) | 山本富士子 が少しも下級娼婦らしくない。しかし、豊田四郎独特の味わいの内向的世界の中心に咲く綺麗な大輪の華であることには間違いなく、いつまでも飽かず眺め続けていたい気持ちにさせる。これぞ、女優。 | [投票] | |
夫婦善哉(1955/日) | 田舎道を歩くと、道の傍に石に刻まれた浮き彫りの男女一対の神様があるのを見たことがありますか。道祖神といって夫婦和合の神様だそうです。森繁久彌 と淡島千景はまさにその後光のさす一対の小さい神。 [review] | [投票(2)] | |
暗夜行路(1959/日) | 原作のヤマ場の一つ、謙作が直子を突き飛ばすシーンを見た瞬間、「だめだこりゃ」と確信。ひ弱なおぼっちゃんの日本漫遊記に成り果てている。 | [投票] | |
猫と庄造と二人のをんな(1956/日) | 標準語だととてもいたたまれない。しかし、関西の言葉を使われると、こんなに情けない主役がとても身近に感じられるから不思議。私も70%は庄造ですねん。 | [投票] | |
小島の春(1940/日) | 瀬戸内の景色は映画作家を俯瞰への冒険に誘う。農家を訪ねる夏川静枝を俯瞰で撮ったシーンでは、構図や強い影が、キリコ風の実存的不安を醸す。そして菅井一郎! 表情に頼らず不安を表現する技の高度さに驚嘆する。 | [投票(1)] |