★3 | バッドサンタ(2003/米=独) | やさぐれたハートウォーミングともいうべき、いい具合の屈折さ加減がすれたオトナにはなかなか心地よく、逆にひとを素直にさせる。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 血と骨(2004/日) | 冒頭、済洲島から海を渡り、君が代丸から新天地大阪を一望する若き金俊平の姿は『ゴッドファーザー PART II』でシチリア島からアメリカへやってきたときのイタリア移民の姿とダブる。 [review] | [投票(5)] |
★4 | いま、会いにゆきます(2004/日) | 感動モノの定型化された方程式というものがあるとするならば、この作品はその方程式の元、平板なストーリー下に製作側の作為をいともたやすく見透かすことができるといった点で平凡極まりない。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 太陽に灼かれて(1994/仏=露) | 少女ナージャの視線が、おとなたちの関係をつむぐ道しるべとなる描写の巧みさにうなる。牧歌的な風景からのまさに現実の底がぬけるかのような暗転と、愛くるしいナージャの笑顔との対比はあまりに鮮烈。 | [投票(3)] |
★3 | TUBE(2003/韓国) | リアリティのない銃撃戦に微苦笑しながらも、ペ・ドゥナのアヒル口をながめながらそれなりに楽しんだが、やはりちょっと大味。ハリウッドの二番煎じでもいいが、どうにもアクションから情緒的なドラマ面まで粗さが目につく。 [review] | [投票(1)] |
★2 | 2046(2004/中国=仏=独=香港) | 芸術は成熟するにつれて抽象的・観念的になるというが、この映画はそういった成熟のうえに成り立っているのか疑問をかんじる。豪華なキャストに美しい映像と音楽。そこに描かれる恋愛模様は、どうにも雰囲気だけでこころの芯にせまってくるようなものがない。 [review] | [投票(1)] |
★2 | 恋の門(2004/日) | 役者の活かし方はいいのだが、いかんせん笑えない。憶測になるが、演劇の笑いを映画表現としてアレンジし切れず失敗したのではないか。部分部分で光るものはあるが、監督の狙うジェットコースターストーリーと言うにはずいぶん散漫でテンポも悪い。 | [投票(2)] |
★5 | 悪い男(2001/韓国) | 愛するということと憎むということは、関係を欲望するという点で等価だ。そしてその手段が暴力という回路しか持てなかったらどうなるのか。キム・ギドクは挑発する。いたわりが暴力に、罵りが愛ということもある。先鋭的ではあるが、遠い世界の話でもない。 | [投票(3)] |
★4 | たまゆらの女〈ひと〉(2002/中国=香港) | 湖、ロープウェイ。古めかしい都市や車窓からの風景、コン・リーの服装から佇まい。書庫を仮住まいとする男。物語の整合性などどうでもよくなるほど、とにかくなにからなにまでその空気感が好みだった。 | [投票] |
★4 | フレディVSジェイソン(2003/米) | 寝ても醒めても殺される! 前半は随所に定型化したホラーの文法をちりばめて、後半は一気に夢の対決へと予想をはるかに越える逸脱を果たして観る者を爆笑の渦へと投げ込んでしまう。圧倒的。あまりに圧倒的。 | [投票] |
★3 | バイオハザードII アポカリプス(2004/独=仏=英) | より大いなる敵アンブレラ社そのものが相手なのだから、アクションへの偏重も納得なのだが、前作でのあくまでミラジョボを主としたミシェル・ロドリゲスとの共闘に比べて、今作のシェンナ・ギロリーとの共闘はややバランスを欠き、散漫な印象が残る。 | [投票(2)] |
★3 | おばあちゃんの家(2002/韓国) | おばあちゃんとの関係のコントラストをはっきりさせるためとはいえ、わがまま都会っ子という性格付けがややあざとい気がするが、電池とか菓子パンとかおばあちゃんの髪どめなどの小物の使い方が抜群にうまい。ラストは泣ける。 | [投票] |
★3 | トゥー・ウィークス・ノーティス(2002/米) | 序盤、飛び飛びの時間経過のなかでいつのまにかつーかーの上司と部下になっているわけだが、ふたりの関係が深まる過程をもうすこしていねいに描いてくれないと、ラストが盛り上がらない。軽妙なやりとりはグッド。 | [投票] |
★4 | 二重スパイ(2003/韓国) | ほどよく抑制のきいた人間ドラマ。ロマンスもひかえめなら派手な銃撃戦もなく渋みがある。国家に従属せざるをえない個人の悲哀をハン・ソッキュがていねいに演じていて好感がもてた。 | [投票] |
★4 | 8 Mile(2002/米=独) | 不況で荒廃した街とそこで暮らす人たちの諦念が、エミネムの罵倒芸に乗りうつる。8mileの彼方から下層の嘆きと苛立ちがラップの必然性を生む。なかなか腰のすわった映画だ。 | [投票] |
★3 | トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン) | ベニグノの純愛は自分のエゴに気づかない鈍感さそのものでしかない。そんな彼の弱さに現実は冷たい雨しか降らせない。エゴを引き受けた上での恋心を見たかった。失恋した男という事態は、けっして美しいものではない。 | [投票] |
★4 | パリ、テキサス(1984/独=仏) | テキサスの荒涼とした大地にトラヴィスの心象風景がとけこんでゆく。忘却した過去を息子とともに取り戻し、自己愛に溺れて傷つけた妻と一個の他者として向かい合う道程のハーモニー。美しく、やがてもの悲しい旋律が心に響く。 | [投票(1)] |
★4 | 丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日) | 時代を越境する笑いの力をまざまざと。左膳とおかみのみなしごをめぐる薄情から情合いへの切り返し。いつまでも色あせない温情の笑いに何度もふきだす。 | [投票] |
★4 | 魚と寝る女(2000/韓国) | 女の代償によって快を追求する釣り客たち。女の痛みは身体の深い部分に沈みこんでいく。その痛みをキム・ギドクは針を表象として釣り上げる。心と身体の乖離は、ここに正視に耐えないほどの直接的な痛みとして水上に現れ融合する。圧倒された。 | [投票(2)] |
★1 | アカルイミライ(2002/日) | 既存の社会にコミットせずに浮遊する若者像でも描きだそうとしたのだろうか。映画そのものがテキトーとしか思えない暗喩をちりばめて浮遊してるんじゃ意味がわからないし退屈でしかないし、その雰囲気だけのアイロニカルな姿勢が鼻についてしょうがない。 | [投票(1)] |