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★3デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米)いつものB級耽溺趣味。珍しい蝶を収集している暇人のようだ。お気に入りのガラクタで一杯の子供部屋から出る気はタランティーノにはないらしい。ここに怠惰はあってもロマンはない。[投票(1)]
★3帰らざる日々(1978/日)地方都市・最後の夏・父の不在・年上の女…。しかし、藤田ファンとしては不満も残る。いつものように、なし崩しの逸脱へ、男と女の倦怠へ、うたかたの日常へと雪崩れ込んでほしかったが。[投票(1)]
★3お早よう(1959/日)オナラ・噂話・愚痴・我が儘・恋愛。出るものを出すのが人生だ、と言わんばかりの小津のユーモアとニヒリズム。青空に翻るパンツ。便所の換気筒に立つ湯気まで撮る下世話ぶりが凄い。[投票(1)]
★3修羅雪姫(1973/日)雪のように穢れなき復讐心とその裏にある破滅への欲望。自己陶酔的な暴力の爆発。マゾヒズムとサディズムを往復する極端の美学。かなり阿呆な話なのだがB級ならではの楽しさがある。[投票(1)]
★3BROTHER(2000/日=英)野卑な暴力自慢に辟易。ハラキリ・指ヅメ・自決…無闇な自傷行為は小心の裏返しか?照れ隠し?『ソナチネ』の詩情の片鱗もなし。「アニキ」という言葉の晴れがましさのみ印象に残る。[投票(1)]
★3テス(1979/英=仏)黄昏の野原で踊る娘たちは巫女か霊媒のよう。時折現れる異教的偶像に漂う超時間的感覚。其処此処にあの世とこの世の仕切りを取り外したような雰囲気が…。一種の怪談なのでは?[投票(1)]
★3パッチギ!(2004/日)在日不良少年たちの清々しいまでの凶暴さ。荒ぶる純情。そして、唐突に訪れる青春の終わり。叙情溢れる語り口、と同時に、何か赤面させるような説教臭さも…。良くも悪くも直情径行。[投票(1)]
★3グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)ハリウッドばりに盛り上げておいて、唐突に東アジアの日常風景に落とす脱臼的演出が冴える。が、『殺人の追憶』の凄みはなし。むしろ、現代ソウルの豊かさ・退屈さばかりが浮かび上がる。[投票(1)]
★3氾濫(1959/日)非行動的な主人公は原作の通りなのかもしれないが、その結果、増村作品らしい激しさ、明快さは失われてしまった。不吉なまでに明朗なラストシーンなど随所にらしさは見せるが。[投票(1)]
★3マタンゴ(1963/日)本多猪四郎は1975年以降映画を撮らなかった。しかし、私は彼に最後にもう一本撮ってほしかった。まさに「マタンゴの島」と化したバブル期の日本を舞台に、『マタンゴ2』を。[投票(1)]
★3マンハッタン無宿(1968/米)60年代のポップカルチャー描写はグラマラスで魅力的。が、ラヴ&ピースとカウボーイではやはり食い合わせが悪い。刑事物には70年代の荒んでささくれ立った世相こそが似つかわしい。[投票(1)]
★3四畳半襖の裏張り(1973/日)襖の裏張りにされるような(反古のような)B級ポルノという意味の題名なのに、妙にクソ真面目。近代日本の歩みと重ね合わすのもとってつけたようだ。もっと下らない話を観たかったが。[投票(1)]
★3君の名は 第二部(1953/日)オルガン音楽の妖しい響きとともに、またもやムチャクチャな展開の連続。ご都合主義で人を死なせている感もある。異常者ばかりのうち唯一の常識人、淡島千景の存在が光る。月丘夢路のサブストーリーは少なくない数の女性たちのひそかな支持を集めたのだろう。[投票]
★3青春がいっぱい(1966/米)1966年のアメリカ(ベトナム戦争は始まっている)でこんな映画をみていたのは誰なのだろう。すべてが絶望的にジジむさく、しかも全員金持ち・白人・カトリックという世界。結末がそれなりに真っ当なだけに、そこへ至るまでのダメっぷりが際立つ。邦題は詐欺。[投票]
★3家光と彦左と一心太助(1961/日)城中の部分がお利口すぎてつまらない。しかも肝心の錦ちゃんが太ってしまい二重あご。やたら感激しては泣きを入れるのも湿っぽくていけない。唯一の救いは女優陣。北沢典子は泣いたり殴ったり走ったり大活躍。犬ころのようで可愛い。木暮実千代の貫禄も出色。[投票]
★3インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023/米)目に力がなく、ぐっとにらみつけても「不機嫌な年寄り」になってしまうジョーンズ博士は悲しいが、全体としては楽しい。紙吹雪舞うパレードで華麗なる追いかけっこ。翔んでゆく先も映画的逸脱として正しい方角。作らなければもっとよかったという気もするが。[投票]
★3バビロン(2022/米)デイミアン・チャゼルにはシャレっ気というものがない(ジャズ好きのくせに)。引き算がない。強引で大仰なだけのハリウッド地獄ツアーに連れ回され、疲れた。映画創成期のあれこれ、黒人音楽家のサブストーリーはいい。しかし最後のゴ***はスベっている。[投票]
★3加藤隼戰闘隊(1944/日)山本&円谷コンビは前作に続き邦画らしからぬ格好良さを実現。本物の凄味漂う空中戦。爆音。コーヒー・サングラス等の小道具も粋。にしても昔の軍人たちの声の甲高さは一体何だあれは…。[投票]
★3パーフェクト・ワールド(1993/米)善と悪が仲良く隣人として暮らしていた、実は存在しない世界を描くお伽話。適度に感傷的で、適度に懐古的で、適度に教育的ないつものイーストウッド流。ややホラ話風の語り口に走りすぎか。[投票]
★3続丹下左膳(1953/日)もう一歩アナーキーな領域へ踏み込んでほしかった。塀一つで群衆を仕切る豪快な構図など絵的に魅せる部分はある。水戸光子が格好良く、『俺たちに明日はない』のF・ダナウェイのようだ。[投票]