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Sigenoriyukiさんのコメント: 点数順

★4零戦燃ゆ(1984/日)東宝戦記映画の最高傑作はこれだ。舛田利雄は最低だった『二百三高地』『大日本帝国』の2作の後『日本海大海戦 海ゆかば』の時点でもいささか復調が感じられたが、今作でようやく乗りに乗ったアクション演出を見せてくれる。川北紘一円谷英二の後継者の名に恥じない、彼の生涯の中でも最高の特撮を披露してくれている。特に墜落シーン、あれは本物にしか見えない。 [review][投票]
★4ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966/日)お話の荒唐無稽さだけを以てこういう映画を安易に否定するべきではない。地味ながら特撮はよくできてるし、島のロケーション及び美術の質も高い。台詞もよく練られている。宝田明は彼のキャリアの中でも群を抜いたかっこよさを見せてくれる。劇中の台詞「アイデアで勝負しろ」のごとく様々なアイデアで楽しませてくれる。シリーズでも5本の指に入る傑作。 [review][投票]
★4ゴジラVSメカゴジラ(1993/日)戦闘シーンが長すぎるのがよろしくない、しかしこの映画での大河原孝夫の仕事はもっと評価されて然るべきものだ。人物の動きを的確に捉え、映像で物語を語りテンポをよく映画を進めていく。これだけの手腕は一朝一夕では身につかないものだろう。平成ゴジラシリーズは「特撮」としては平成ガメラシリーズに劣るかもしれないが、「映画」としてのレベルはずっと上だと自信を持って言おう。 [review][投票]
★4トレマーズ4(2004/米)こうしたジャンルの枠の中で茶化さずに真っ当な西部劇を撮ってしまう人がいる。マイケル・グロスビリー・ドラゴの初登場場面の気の利いた見せ方。また電信機や自転車、帽子にランプなど小道具の使い方の上手さ。そして銃や馬に関する演出も悪くない。現在ここまで普通に面白い西部劇を撮れてしまうS・S・ウィルソンの才能は貴重である。彼が本作を最後に現在まで一本も映画を撮っていないことが残念でならない。[投票]
★4半次郎(2010/日)榎木孝明の叫びに今一迫力が無いことが少々残念ではあるが見事な時代劇映画として仕上がっている。泥沼の戦場を俯瞰でとらえた冒頭から引き込まれる。現在時代劇を撮る監督の中で最高の演出力を持っているのは五十嵐匠だろう。『長州ファイブ』でも見られた建物の中に射し込む光の筋や写真撮影が印象的だ。[投票]
★4キャメロット(1967/米)いや、これはよくできてる。ともすれば演劇的に成りがちな脚本をジョシュア・ローガンは見事に映画として撮り上げている。180分はちょっと長いけど。大量の蝋燭が灯された結婚式の場面の美しさはちょっと突出している。 [review][投票]
★4ミッドナイト・ミート・トレイン(2008/米)カメラや写真、反射物や遮蔽物をうまく使った演出。こんな芸当を北村龍平ができたという事実には少し驚いた。ゴアシーンはCGを用いたワンカットで見せてくれるが、格闘シーンになるとやたらカットが多くなるのが良くない。この監督はアクションよりもホラーやサスペンスを撮るべきだ。(終盤電車の中で周囲にある人肉を切り裂きながらの戦いなんかは悪くない出来だが。)[投票]
★3シン・ゴジラ(2016/日)こういう規模の企画を一本の映画としてまとめ上げ、なおかつ興行的にも成功させる、庵野秀明という人は映画監督である前に一流の映画プロデューサーなのだろう。この映画最大の不幸は田中友幸円谷英二に当たる人物はいても本多猪四郎が不在という点である。いびつな映画だが『真昼の決闘』を見た人間が『リオ・ブラボー』を作ったような事態が起きることを期待し、この映画の成功自体は大いに歓迎する。 [review][投票(12)]
★3ラ・ラ・ランド(2016/米)やはり歌唱シーンではA Lovely Nightが最も優れており、ここはあのLAの夜景が見える丘のロケーションを選べた時点でもう勝ちだったと思う。そうした歌唱シーン幻想シーンには評価すべきところもあるのだが、ドラマ部分の演出が平凡というか力押しなところがありどうにも退屈である。なんというかミュージカル映画というジャンルにおける『シン・ゴジラ』みたいな作品だなと。 [review][投票(8)]
★3ゴジラ(1954/日)本多猪四郎の演出にしろ円谷英二の特撮にしろ大したものだとは思えない。しかしゴジラの東京襲撃場面の緊張感は後の作品の追随を許さない出来映えだ。これは作り手が戦争や空襲の現実を「知っていた」から、というよりは誰も怪獣映画の撮り方を「知らなかった」ことが原因なのだと思う。本作のゴジラは「怪獣」ではなく得体の知れない「何か」として撮られている。だからこれは怪獣映画ではない。だからこそ恐ろしい。[投票(8)]
★32001年宇宙の旅(1968/米=英)難解とよく言われる映画だが、本当に意味不明なのはラストの10分間ぐらいなもので後の部分はちゃんと映画を見ていれば十分ストーリーは理解できる。モノリスが出てきた場面でのいかにもなおどろおどろしい音響効果はわかり易すぎてわらってしまいそうなほど。 [review][投票(6)]
★3七人の侍(1954/日)村の場面は別々の場所で撮影したものを後から編集で一つの村であるかのように見せかけたらしいので致し方ない面もあるのだろうけれど、それにしても人物の位地関係が非常にわかりにくい。おまけにイマジナリ―ラインを無視したような画面繋ぎがやたら多くとにかく戦闘シーンはみづらくてしょうがない作りになっている。端的に言ってアクション映画としての面白みはまるで無い。 [review][投票(5)]
★3続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊)セルジオ・レオーネの映画では一番つまらない、というのは言い過ぎで『ロード島の要塞』よりは面白い。基本的に単純な娯楽アクションとして作られているためか後の三作とは異なり上映時間の長さは必ずしも映画の豊穣さに繋がっているとはいえず、冗長なだけではないのか。 [review][投票(3)]
★3SCOOP!(2016/日)長回しからカメラが上昇しタイトルインするオープニングのかっこよさ。カーチェイスの造形も近年の日本映画では屈指の出来栄えだろう。そうした魅力的な細部があるだけに、結局福山雅治のナルシシズム的かっこつけ映画に留まってしまったのが残念である。中年パパラッチ、ゴキブリ、ドブネズミと卑下しながら冷徹に突き放し切れていない、ただの言い訳でしかない。 [review][投票(3)]
★3GODZILLA ゴジラ(2014/米)ギャレス・エドワーズという人が怪獣映画についてよく勉強していることはわかる。何気ない場面までまるで怪獣を撮るように撮っている。例えば廃墟となったジャンジラ市に捨て置かれた車のドアミラーにヘリが映り、そのヘリを父子二人が目で追い謎の施設が映されるまでの一連のカット割および目線の動きなんかがそうだ。本作は特撮場面に用いられる演出を本編でも使ってみせる一種の実験映画として見るべきなのかもしれない。 [review][投票(3)]
★3ゼロ・グラビティ(2013/米)サンドラ・ブロックの娘やジョージ・クルーニー周りでの感傷的な小話を挿むことでまるで名作のように見せかけようとしているのが鼻につく。この映画は『トゥモロー・ワールド』より予算をかけた大作であるとはいえ、90分という上映時間を鑑みても本質的にはただのB級サスペンスでしかないだろう。 [review][投票(3)]
★3アイアムアヒーロー(2015/日)がんばっているのはわかる、しかしそれだけに佐藤信介はもうこの手のジャンルに手を出さない方が良いと思えてくる。良い画を撮ることはできていても、アクションシーンにおいて視線と距離の演出がまるでできていないのは致命的である。単調なクローズアップの切り返しばかりでは見ていて飽きてくる。血肉の量は映画の魅力とは何も関係ない。台詞で説明しなくともあそこまで説明的なカットを挿入していてはどのみち大差ない。 [review][投票(2)]
★3ワイルドバンチ(1969/米)クローズアップやスローモーションの多用、何が起こっているかわからないほど多いカット、と冒頭の強奪シーンは現代の駄目なアクション映画の演出そのものだ。この映画の罪は深い。というかこれに影響を受けた某中国人が悪いのか。 [review][投票(2)]
★3インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016/米)90年代的大味ハリウッド映画をそのまま持ってきたような脚本で、登場人物の知能指数は低く、空中戦はことごとくつまらなく、お得意の破壊描写も今や後進のブラッド・ペイトンのような演出家に劣っている。しかし感動した。こんないい加減な内容でありながら観客を飽きさせず最後まで引っ張り続けるローランド・エメリッヒの力量に感動した。 [review][投票(1)]
★3貞子vs伽椰子(2016/日)モキュメンタリーを手掛けることが多くいまいちその実力を測りかねていた白石晃士だが、このような一般的なストーリー映画の画面を作ることに関しても優秀であることはよくわかった。人物を殺すことに躊躇しない姿勢も好感触。ただ肝心の対決にしろホラー演出にしろアイデア・物量不足の感は否めない。安藤政信は何をやっても面白いからずるい。[投票(1)]