★5 | 帝銀事件 死刑囚(1964/日) | 米国に保護された政府に保護されている資本家に雇われた新聞記者達によって担がれる御輿。その御輿の中にある事件と平沢という男、それをとりまく主役無き空虚な祭り。歴史を検証していくうえで、さらにその事に対し自分なりに思ったことを述べるのに映像を用いなければいけないという制約が付いた状況で、打破し、進み、完成しきった熊井啓の思いっきりの良さ。無条件降伏です。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 光の雨(2001/日) | 強引だが僕はいつもこう思っている。連合赤軍は今で言うところのモーニング娘ファンだったんだと。曲がイイとか歌がうまいなんて関係なく、お気に入りの少女のビジュアルに萌えるのだ。毛沢東に陶酔した奴らも思想とかじゃなくて、そのビジュアルに萌え萌えだったんだと思う。だから革命はファン倶楽部で頓挫したんだ。モー娘のコンサート会場内の、はっぴを着た親衛隊の生き様の再現VTRだと思って見るととても面白いYO。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 紅夢(1991/中国=香港) | 歪んだ制度に埋没していく一人の女性が目にする全ての事象は、歴史の重みと歴史の老朽と陳腐そのものであり悪夢。家畜同然に女性が女性として生きるのが困難な時代が今も生きながらえ、チャンイーモウの眼力で社会に埋没し欠けている才能を目覚めさせる。 [review] | [投票(2)] |
★4 | レインマン(1988/米) | 何かが足りない二人の凸の男と凹の男が再会して一つになり、短時間で人間性を取り戻す。その過程を追いかける物語が心地よくラストに引き寄せるのだろう。長く深い溝を埋めるために強く互いが引っ張るフィオレの絆に自らも惹かれてしまえた。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 遠すぎた橋(1977/英=米) | 『レマゲン鉄橋』のほうが遙かにランクが上であり、見終わっても共感が促進されないこの作品だが、空挺師団の空を埋め尽くすような連続落下アート&それをしっかりと捉えたカメラの構図に痺れた。それ以外は普通普通普通普通の映画。 [review] | [投票(2)] |
★3 | I am Sam アイ・アム・サム(2001/米) | 奇をてらったカメラワークと内容とのギャップというべき、それを不安な感情の現れ揺らぎだとすると、挿入歌のビートルズづくしはどう見たらいいのだろうかと考え込んでしまうぐらいに、ややしんどくなるとビートルズ頼みの制作者の脳に特大の疑問符を送付。話は良いんだけどね、話は。中途半端に。 [review] | [投票(2)] |
★3 | ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002/米) | こうなりゃ褒めるしかない!ハリーポッター映画は良い映画です!日常に氾濫する情報を消費するのに忙しすぎて、やもえず想像を止めた読者の、完全な答えが欲しい欲望に蝕まれた体に染み渡る良い映画です!素晴らしい老婆心の持ち主が作った良い映画です! [review] | [投票(2)] |
★4 | 米(1957/日) | 不幸話を笑い飛ばしてしまう根性がまだ芽吹かない、不毛で荒れて疲れ果てた体を支えに一所懸命に生きる人間の生活営みの描写が心に染みいる。不幸の連鎖の中にも人間としての方向性を必死に確保する人々の顔が活き活きとしていたのを見逃すことはまずできない。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 駅前旅館(1958/日) | 怒濤の大量の物量の量量量で修学旅行生から漲る若さに裏打ちされたはしゃぎっぷりにはしゃぐ旅館に巣くう効率主義の顧客無視化が顕在化され始める時代を森繁&堺+脇役陣の演技、豊田四郎の才能開眼で高尚な社会派コメディにきっちり昇華。非常に密度の高い納得の109分。 [review] | [投票(2)] |
★5 | グレムリン(1984/米) | たった3つの約束が守れないところに人間の弱さ卑しさと面白さ、物語の序章と展開が滲み出てくる。そして、この映画をファミリー映画ではなく、『家族で見る保護貿易主義入門映画』だとして覚悟してみるべき珍品であり、ぶっちゃけチェラブーシカのパクリのギズモはブサ可愛い。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 華麗なる一族(1974/日) | 政治、お金、強欲の3Pにフィニッシュは永遠に訪れず、共食いと馴れ合いによる共生がエンドレスに続くことをリアルに描いた山本薩夫の十八番、反体制節が心地よい。作品自体は3時間なのに、その時間は人を曳航し、今の世界に辿り着かせる構成は最高に面白い。 [review] | [投票(2)] |
★4 | あの夏、いちばん静かな海。(1991/日) | 凄く普通の話の中心人物から声を取り払い、静かな男女の話を“一番”静かに丹念に描いた、総天然色一のサイレント映画。典型である「手話」に帰依しないで作品を完成する精神、コペルニクス的コロンブスの卵型発想を矢継ぎ早に出して社会を逆説的に描く北野武監督は凄い。 [review] | [投票(2)] |
★3 | タイムマシン(2002/米) | 映像見本市でこの作品が展示されていたら暫くは立ち止まって見てしまうけど、驚きが持続しないからすぐに立ち去ってしまうだろうなってレベル。心に訴え掛けてくるメッセージの絶対量が少なすぎるのは致命傷。
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★3 | もののけ姫(1997/日) | “健全”かつ”矛盾なき”思想満載な内容を重視、この、人間の原点に戻って作品を作り続けていただきたいと思うので、あの名作『となりのトトロ』の名曲『さんぽ』(フル)で宮崎駿監督を斬ってみました。馬の耳に念仏でしょうがお暇なら読んで歌ってください、dear宮崎駿様。 [review] | [投票(2)] |
★5 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(1990/米) | 幾多の本物、にわか、急造を含めた科学者に「これは変だ!ありえない!」と言われ続けながらも、それをバネにしエンターテイメント性を重んじ続けたロバートゼメキスの放ったパワーは、確実に世代の壁や時空の壁を越え続けるだろう。やっぱ誰が何を言おうとPART3のオチは最高である。 [review] | [投票(2)] |
★5 | あの子を探して(1999/中国) | 子供たちの汗ばむ顔、涙ぐむ表情、達成感。気分爽快の涙を流せ、その涙が元で心が潤い人生の指針を探し求めさせてくれる。そして「涙を流した次は自分が汗をかく番だ」を投げかけられた作品に背を押される形で日常に活力を活かす。 [review] | [投票(2)] |
★2 | 13日の金曜日(1980/米) | 某民主主義国家の将軍様のフェイヴァリットムービーだと聞いて、やっと見る気になったのだが失敗に終わった。見終わって「見るんじゃなかった」と深夜にありがちな住宅街の静寂を切り裂くように叫んだ。
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★5 | 山の音(1954/日) | O型の典型的性質の「怒りを溜めるだけ溜めて一気に爆発させる」を地でいくような原節子の演技は、家族や世間体等が居並ぶ地殻の下で湧き出る場所を探すマグマのようであった。女性の立場が悲劇的に弱いがために犠牲になって往く悲劇が、川端、成瀬と確実に受け継がれて映画として観客に受け継がれていく。 [review] | [投票(2)] |
★4 | スネーキーモンキー 蛇拳(1976/香港) | ブルースリーの強烈なインパクトを中和するのが絶対使命で映画に送り込まれたジャッキーチェン。まだこの時期の作品は、ジャッキーチェンのプロモーションビデオの域バリバリなのだけど、しっかりと後に続く内容になっている。“スーパースタージャッキー”の伏線映画です。 [review] | [投票(2)] |
★2 | スパイダーマン(2002/米) | 「ある日突然綺麗に痩せてスリムになっていたらどんなに幸せだろう」という、ほぼ誰しも抱く願望を形を変えてスクリーン上に表現した、現代社会の欲望を映画にしたみたい。ほんのり毒づくと、変身願望と「ラクして美しくなりたい」の“楽”というベラボウに大きいストライクゾーンを狙った志が低い映画だ。
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