もちろんその時のバトーの動きも相当かっこいいわけだがね。でも全身義体のくせに人間の動きを模倣しようとする者より、身体の制約を超越した少佐やガイノイドのほうが圧倒的に美しい。『人狼』を経てアニメはさらに進化した。

映像以外のことに言及するなら、この作品で語られるのは「人間と人形の境界の曖昧さ」などではない。人間と人形の相同性を徹底的に追及することで、「人間であること」とはいかなることかを浮かび上がらせようとするものである。人間と人形の境界がとことん曖昧であるとしても、やはりそこには何か違いがあるはずだ、という作者の絶望的な願いを感じずにはいられなかった。