[コメント] スミス都へ行く(1939/米)
それまで、「映画といえば特撮とSF」と思い込んでいた私に、映画がこれほど素晴らしいものだと、教えてくれた一本。
私はこの映画を、高校生の時にTVで見た。高校卒業を控えて、これからどう生きようかなあ、なんてことを漠然と考えていた時である。最初は息抜きに見ていたのだが、見終わった時には、しばらくはTVの前から一歩も動けないほどの衝撃を受けた。
昨年、実家を建て替えるというので久しぶりに帰省して、実家に置きっぱなしになっていたノートやら何やらを整理した。その時に、この映画を見た日に自分が書きつけたメモを見つけた。
そのメモには見終わったばかりの映画のストーリーが克明に記され、何に自分が感動したのかを書き残している。改めて読むと「うわぁ、わっかいなあ」と赤面するものだが、そこには、まぎれもなく、私の人生に大きな影響を与えた映画の力が、そしてその人生を(おそらく)豊かなものにしてくれた映画の力が、あらわれている。
「あなたも昔は今の私のようだった。負け勝負とわかっても闘いつづけた。ただ“隣人を愛せ”をという信条のために。私もまだ闘う。負け勝負になっても闘いつづける。」
当時、このセリフにどれだけ勇気づけられたことか。そしてこれを見終わった年末から正月にかけて、私は親と大ゲンカしながら、自分で選んだ大学へ進学した。
そして今、私はここにいる。この映画を見たことは、私の人生の一部となっている。
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