[コメント] アマデウス(1984/米)
フェイバリット・ムービー10本を聞かれるとその時々で変わるけど常にこの作品は挙げる。華やかに再現された中世のコスチュームやセット、ドラマチックに描かれる人間の悲劇。映画の奥深さ、素晴らしさを子供だった自分に認識させてくれ、ハリウッドへの嫉妬を感じた名作です。
この映画を観てしまうと陽気なモーツァルトのバロック音楽も少し物悲しく響いてしまう。ストーリーのシークエンスとしては天真爛漫なモーツァルトと陰湿なサリエリを対比させて展開してゆくので基本はオーソドックス。けれどフォアマン監督はそこに妥協を赦さないセット、コスチュームを含む見事な映像&人間性を鋭く浮き上がらせる巧みな演出で単純に映画とは言い切れない総合芸術としての領域までクォリティを昇華させた。地味だが緻密に計算された演技を披露するF・マーリー・エイブラハムにスポットが当たりがちだが、屈託の無い天才らしさを存分に表現し、独特の笑い声で印象的にモーツァルトという像に息吹を与えたトム・ハルスを俺は評価したい。80年代は『ラスト・エンペラー』、『ガンジー』など実在の人物をモチーフに巨額の費用を投じ、それに見返る丁寧な骨太の作品が多く作られていたなぁと振り返って実感。この作品も勿論そうです。最近の特撮重視で内容スカスカとか、主演スターのギャラに費用が消えてるようなのとは違い一見の価値あります!!。観ていてサリエリとモーツァルトどちらかに共鳴するとは思いますが、俺は絶対モーツァルト派。
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