[コメント] ブルージャスミン(2013/米)
マスカラの涙で目元を黒ずませながら「降りられない」女の哀れさを体現するケイト・ブランシェットの奮闘ぶりは見事としか言いようがない。「上位1%の富裕層が富全体の20%を…」みたいな格差社会への反感という世相を味方に付けた作風だが、
かといってジャスミンが完敗かというと、一方で妹・ジンジャーたちの反知性的生き方を微妙に揶揄しているようなテイストもあり、そのあたりのアレン翁の匙加減はさすが。
最後ジャスミンが家を出て行く場面で、壁沿いをただ往復するカメラで余韻を表現したり、回想シーンとのシームレスな繋ぎなど、演出は軽やかで端正。
相変わらず小品ではあるが、一流の喜劇である。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。