[コメント] ラ・ラ・ランド(2016/米)
やはり歌唱シーンではA Lovely Nightが最も優れており、ここはあのLAの夜景が見える丘のロケーションを選べた時点でもう勝ちだったと思う。そうした歌唱シーン幻想シーンには評価すべきところもあるのだが、ドラマ部分の演出が平凡というか力押しなところがありどうにも退屈である。なんというかミュージカル映画というジャンルにおける『シン・ゴジラ』みたいな作品だなと。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ドラマ部分が退屈と書いたが、それでも印象に残ったものとして三度反復されるライアン・ゴスリングが鳴らすあの不細工でうっとうしいクラクションの音をあげておきたい。一度目はただの煩わしい音として、二度目は幸福の象徴として、三度目は救いの手として。反復される度にまとっている感情が変わっている、それがより深い感動を生む、これはまさに映画の演出として成功していると思う。
それと映画館で『理由なき反抗』を見るシーンで思ったのだがエマ・ストーンはスクリーンの前に平然と立つし、画面から目を背けてキスしようとするわで映画に対して失礼極まりない態度なのだが、しかしそれが二人の関係の特別さ、その間にある感情をより強調しているのもまた事実なのだ。映画の世界の中ではスクリーンから目をそらし映画をちゃんと見ようとしない者、映画を特別視せず一つのネタとして扱う人間の方がより映画的であるという逆説。
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