[コメント] ゴジラ-1.0(2023/日)
しっくりこないなと思っていたら、これ会話のリズムとセリフ回しやプロットの進行もまるでアニメ。生身の役者が作りモノの挙動をするので「死ねなかった者」の物語が全然頭に入ってこない。今どきの大衆受けを狙うのはいいけど、ここまでアニメにおもねらなくても。
佐々木蔵之介さんの大仰なキャラ、こういうのジブリアニメに出てきますよね(よう知らんけど)。臆面もない得意顔の「こりゃあ恐れ入谷の鬼子母神だぜ〜」には、恐れいりました。紅一点(安藤さんゴメン)、焼け跡のお姫様としてひたすら受難を引き受けて罰ゲームのように「生きろ!」を生身で体現する浜辺美波さんの健気なこと。
今回のゴジラは悪さもほどほで70周年記念の主役にしてはつつましく、雑な話し運びも気になるところ満載ですが、はなから本作の志すところのハードルも"ほどほどを良し"としているようで、むきになって文句つけるのも大人げないので、こちらもほどほどの星三つ。
とは言え死者の無念を引き受けながら「生きなければならない者」を描くのに山崎貴さんは新藤兼人の遺作『一枚のハガキ』をちゃんと観たのか!と野暮を承知で書いておきます。
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