[コメント] 日本のいちばん長い日(1967/日)
全員の登場人物のキャラが立っており、誰1人脇役となっていない。緊迫した演出と相まって異常な迫力を生んでいる。残念ながら現在の日本の俳優陣では再現不可能。一人ひとりが発するセリフがどれも重く、これも皇居周辺を舞台にした戦争映画といえるだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作は元文藝春秋社の社長だった半藤一利氏だが、当時は諸般の理由で大宅荘一氏ということになっていた。 その半籐氏の最近の著作、『昭和史』と読むと、戦前戦中の軍人の発想とこの映画の若手軍人の反乱とがシンクロしていく。
当時の軍は、ドイツがモスクワを占領してくれるだろう、ソ連は満州に侵攻しないだろう、とか、だろう、してくれるに違いない、とか根拠のない曖昧な判断と虫のいい他力本願(要はドイツだのみ)で作戦を作っていたらしい。 この映画の若手軍人も、「彼は必ず同意してくれる!」だの、宮内庁を封鎖したくらいで「玉音はわが手中にある!」だの、もうとにかく自分に都合のいい現実を作ってしまっている。正直、その姿は本人たちの意気込みとはうらはらに滑稽感すらある。で、当然うまくいかないわけで・・・
この人たちを見てると日本が負けた理由がわかる気がします。
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