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[コメント] イージー・ライダー(1969/米)

「“病んだアメリカ”をここでは描いた」という人の意見もかつて聞いた事があったが、むしろ、これほどアメリカ流の“健康”を示す作品も無いのではないかな?
甘崎庵

 自由って何だろう?そう思わされる作品である。主人公の二人はただ自由でありたいと願い、バイクで旅を続ける(バイクというのがいい。車と違って閉じこめられていないから)。

 既存の社会の中では見つからなかった“自由”を見つけようと、彼らは旅をし、そして語り合い、ドラッグを用いて瞑想する。それで彼らは何を見つけたのだろう?それは劇中で明確に語られている訳ではないので、推測するしかないのだが、結局見つからなかったのではないかな?

 この作品、当時のカウンター・カルチャーであるヒッピー、ドラッグ、フリーセックスなどを通し、アメリカという国を描いている。

 それらのカウンター・カルチャーは、当時“自由”の象徴だった。ところが社会はそう言う“自由”を認めない。むしろそれを排除しようとする。不自由な生活を強いられたカウンター・カルチャーの騎手達。一体どこに“自由”があるんだ?そのメッセージが直球で伝わってくるようだ。

 閉塞感漂う社会組織と、そこから限りなく自由でありたいと言う願いがカウンター・カルチャーを作り出し、やがてそれらをも呑み込み、一つの時代として認められていく。そんな時代の一コマを切り出して映画化した。

 デニス=ホッパーピーター=フォンダ共にこの作品で一気に時代の寵児となり、無名だったジャック=ニコルソンは役者としてのスポット・ライトを浴びた。言うなれば時代そのものを映し出した映画なのだろう。

(評価:★4)

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