[コメント] Love Letter(1995/日)
この監督は「光」を上手に使う手法もさることながら、ヒロインの魅力を、おそらく女優本人が気付いていないような部分までをも上手に引き出しています。中山美穂が写真を撮るためにグラウンドでカメラと戯れるようなシーンはストーリー的には関係が薄いシーンでアイドルのプロモのようなシーンではありますが、この監督の「素の演出」なのでしょう。女優の持つさまざまな表情を、これでもかというぐらいに引き出しています。
そして監督と対峙する演技陣の芝居の力量は近年の邦画においても高いレベルで応えます。この作品の場合は主演がアイドル出身だった事で先入観を持たれ、悲劇的なコメントが多く見うけられますが、その質は国内の女優陣の中でも抜きん出た才能といっても過言ではありません。
ちなみに私は中山美穂のファンではありません。彼女が歌手としてどのような歌を唄っているのかさえ良く知らないのです。
★エンドロールのローマ字表記について★
YASUさんのコメントに投票をしたのですが、実は私は反対にこの手法に賛成なのです。映画とは多額の投資を行い、それを回収しなければなりません。以前の日本の映画界はプロデューサー不在で、国内の狭い市場のみを舞台に考えられていました。しかし、香港・韓国・インドなど世界市場を舞台にした成功物語に指をくわえて見ているのではなく、海外の市場にいくらで売りつける事が出来るかを考えた映画製作をしていかなければならないと思うのです。
海外での買い手(劇場)が決まれば、資金が円滑に動き出し、次回作への投資額も増える要因になるでしょう。日本語という世界で一国しか使用されていない特殊言語にこだわらず、世界市場というユーザーを相手にするのならば、ここは敗北主義とか単なる格好つけと言われようとも、せめてスタッフ・キャストはローマ字表記にて名前ぐらい印象づける努力が必要ではないでしょうか。
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