[コメント] キリング・フィールド(1984/英=米)
ハイン・S・ニョールがクメール・ルージュに連行され、両手を拝み合わせて命乞いをするシーン。あれは演技なのか?演技なのだとしたら、その時世界の演劇史は塗り替えられた!ノンフィクションを超えるとはまさにこの事。演劇人必須のシーン。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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連行シーンでは脇で逮捕された同朋がいとも簡単に射殺されていく。射殺する兵士達が無表情なのが恐ろしくリアルである。これまでの映画で人を殺害するシーンでは加害者被害者ともになんらかの表情の描写があったはずだが、このシーンでは両者とも表情がなく機械的に処理されていく。
『ビューティフル・ライフ』でも主人公がドイツ軍兵士に連行され、路地の陰で射殺された後、路地から兵士だけが出てきた時も兵士は無表情だった。さも忙しいのに途中で面倒な仕事が入ったかのように・・・
実際そうなのだろう。事務作業のひとつのように処刑という殺人行為は幾多も行われたのだろう。
これこそ戦争が起こす人間の狂気を鮮明に表わしている。多くの言葉や映像で悲惨さや残酷さを語るよりも、このようなたった1シーンのほうが伝えるものは大きい。
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