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[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)

あらゆるジャンルの中でも、私にとって「ベストワン」と胸をはって言える。これまでバレエなど見たことのない私だが、思わず自分もロンドンにいって、学校に入りたくなった。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







1984年、炭坑ストにゆれたイギリスの炭坑の町を舞台に。炭鉱は本当に閉鎖されなければならなかったのか、それとも閉鎖するべし、だったのか。政府にとっては単なる選択の問題でも、炭坑の町の労働者にとっては、働く場所、死活にかかわる問題だった。

だからこそ彼らには、割増し賃金につられて「スト破り」をする者は、目先の利益、自分ひとりのことしか、考えない「裏切り者」である。

しかし長引くストは、ストにがんばる者たちをむしばんでいく。クリスマスの夜、暖を取るために、亡き妻の形見のピアノを薪にせざるえないところまで追い込まれていく。その時、息子のバレエへの思いを知った父は…

「もう俺には何もない。けど息子には夢がある」と泣きながらスト破りに参加しようとする。そしてそれを泣いて止めるビリーの兄。ともにストに参加する仲間は、誰もそんな父をせめず、わずかな力を集める。

この過酷な現実が、どれだけ少年ビリーに理解できたただろうか?そんなことを推し量っても仕方がない。しかし、ビリーはこの現実のもとで、「バレエをやりたい」「ダンサーになりたい」という思いを、自らのダンスで表現するしかない。

彼のダンスシーンは圧巻。「バレエとかダンスってようは、きどったスポーツでしょ」という認識しかなかった私にも、ただただダンスがやりたいという素直な気持ちが伝わってきて鳥肌がたった。これが、身体で気持ちを表現するということなのだろうか。

他にも程よいユーモアがあって、それが返ってリアルさを感じさせる。この映画を見にいったのは、「サービスデー」の時で、割引料金ならいこうか、くらいの気持ちだったが、こんなに感動と新たな発見を与えてもらえるとは思わなかった。こういうことがあるから、私は映画から離れられない。

(評価:★5)

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